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電池交換なしで最長8年動作、村田の屋内測位システム工場内での作業効率を改善

村田製作所は2018年7月、近距離無線通信技術「BLE(Bluetooth Low Energy)」を活用した屋内測位システム「OWLiQ tracking(オウリックトラッキング)」を開発したと発表した。

» 2018年07月11日 15時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

メッシュネットワークでモノの管理とヒトの導線を分析

 村田製作所は2018年7月、近距離無線通信技術「BLE(Bluetooth Low Energy)」を活用した屋内測位システム「OWLiQ tracking(オウリックトラッキング)」を開発したと発表した。

 OWLiQ trackingは、小型のBLE発信器(タグ)とBLE受信機、専用のゲートウェイおよび、屋内測位向けクラウドシステム「SyCloud(サイクラウド)」で構成する。測位対象とするモノや作業者などにBLEタグを取り付ける。BLEタグが周期的に発信する電波を、測位エリアに設置したBLE受信機で検出する。設置された複数のBLE受信機は相互に通信し、BLEメッシュネットワークを構成する。

左からBLEタグ、BLE受信機、ゲートウェイの外観 出典:村田製作所

 BLE受信機が検出したBLEタグの信号強度は、BLEメッシュネットワークを介してゲートウェイに転送される。その後、村田製作所のSyCloudに送信され、BLEタグの位置情報を算出し、計算結果を顧客のシステムに送信する。顧客は受信したBLEタグの情報をディスプレイなどに表示して、その位置を確認することができる。情報表示を行うには、サンプルの表示ソフトウェアをカスタマイズするか、市販のソフトウェアを組み合わせる必要がある。

 BLE受信機「Type-1KM」はUSB電源で動作する。消費電力は約30mW。外形寸法は58.3×25.9×9.2mmである。電源を入れるだけでBLEメッシュネットワークを構築することができ、レイアウトの変更なども容易に行える。

 BLEタグ「Type-1KJ」はコイン電池(CR2032)で動作し、電池の交換なしで最長8年間も利用することができるという。発信周期は1秒に初期設定されているが、1秒〜10分の範囲で変更することも可能である。外形寸法は42.2×25.8×5.95mm。また、ゲートウェイ「Type-1RK」は消費電力が約10W、外形寸法は170×109×27mmである。

 なお、SyCloudで算出した位置情報はWeb API(Application Programming Interface)で提供される。このため、外部のシステムとも容易に連係することが可能だ。自社運用のシステムに構築することも可能で、セキュリティなどに対する不安を取り除くことができる。

 村田製作所では、製造工場における効率改善を視野に入れている。具体的には台車や部品、工具箱の管理、作業員の導線分析といった用途に向けて同システムを提案する予定である。開発したOWLiQ trackingは、「プラントメンテナンスショー」(2018年7月18〜20日、東京ビッグサイト)のブース内で紹介する。

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