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» 2018年07月11日 10時30分 公開

帯域8GHzで毎秒100万回の波形更新:ローデ、独自色を強めたハイエンドオシロを発売

Rohde & Schwarzの日本法人ローデ・シュワルツ・ジャパンは2018年6月、最大8GHz帯域モデルをそろえるハイエンドオシロスコープ「R&S RTP ファミリー」を発売した。

[竹本達哉,EE Times Japan]

 Rohde & Schwarzの日本法人ローデ・シュワルツ・ジャパンは2018年6月、最大8GHz帯域モデルをそろえるハイエンドオシロスコープ「R&S RTP ファミリー」を発売した。毎秒100万回の波形更新レートを誇る他、信号源とオシロスコープ間の伝送損失をリアルタイムに補完するディエンベディング機能などの特長を備える。

R&S RTP ファミリー ハイエンドオシロスコープ「R&S RTP ファミリー」。競合モデルよりも40%程度設置面積を削減できるという小型サイズ、静音性能も特長とする (クリックで拡大)

 「オシロスコープ市場に参入して約5年。ミドルレンジモデルからエントリーモデルへとラインアップを広げてきた。今回、より広帯域のハイパフォーマンス機であるR&S RTP ファミリーの発売でフルラインアップがそろい、競合と戦えるレベルに達した」(ローデ・シュワルツ・ジャパン)

Rohde & Schwarzのオシロスコープ製品ラインアップ (クリックで拡大) 出典:ローデ・シュワルツ・ジャパン

 「後発オシロメーカー」(同社)と自らも認める中で、Rohde & Schwarzは、高い市場シェアを持ち、得意とするスペクトラムアナライザーやEMIテストレシーバーなどで培ったアナログ処理技術やノイズ抑制技術をR&S RTP ファミリーに投入し、「ダイナミックレンジが必要な用途に特に最適なオシロスコープ」(同社)に仕上げた。さらに、「後発オシロメーカーとして、これまで競合が実現してこなかった斬新な機能も積極的に盛り込んだ」とし、独自色を強く打ち出した点も特長だ。

 アナログ処理、ノイズ抑制技術を生かした例が、リアルタイムシグナルインテグリティの実現だ。一般的に高速サンプリングを実現する場合、フロントエンドのA-D変換部に、複数のA-Dコンバーター(ADC)を用いるインターリーブADCが使用される。しかし、インターリーブADCは、複数のADCコアを使用するためノイズが増加しやすく、スプリアスが悪化するというデメリットがある。これに対し、R&S RTP ファミリーは、優れた特性を持つOCXO(温度制御型水晶発振器)による基準クロックを用いるなどしシングルコアの10Gサンプル/秒の高速ADCで構成するフロントエンドを実現し「シグナルインテグリティを大きく改善した」(同社)

 リアルタイムシグナルインテグリティの実現に向けて、ディエンベディング機能も備えた。ディエンベディング機能とは、測定したいポイントとオシロスコープ間を接続するケーブルや治具などで発生する伝送損失を高速掃引しながらリアルタイムで補正する機能。通常、こうしたケーブルや治具での伝送損失補正は、トリガーをかけてデータを取り込んだ後に、後処理として補正を実施するため、時間を要する他、補正後のデータに対し、トリガーをかけることができなかった。また、R&S RTP ファミリーのトリガ機能は、A-D変換後のデジタルデータに対しトリガーをかけるデジタルトリガーを採用し、帯域制限なく、また、微小な信号に対しても、トリガーをかけることができる。

ディエンベディング機能の概要 (クリックで拡大) 出典:ローデ・シュワルツ・ジャパン

 他のハイエンドオシロスコープとの違いを打ち出すR&S RTP ファミリーの特長的な性能としては、100万回/秒の高速波形更新レートが挙げられる。「同等の帯域を持つ競合機の波形更新レートは毎秒数千から数万回にとどまるが、独自ASICなどにより、毎秒100万回という波形更新レートを実現した。散発的なエラーを的確に捉えることができるようになった」(同社)とする。

 R&S RTP ファミリーは、帯域幅8GHzモデルの他、6GHzモデル、4GHzモデルをラインアップし、2019年にはより広帯域な16GHzモデルを投入する方針(帯域幅はアップグレード可能)。オシロスコープとしての機能以外にも、周波数ドメイン解析やプロトコル解析、マルチチャンネルパワー解析なども行え「複数の計測器を1台に搭載した」(同社)としている。

 価格は、701万9000円(税別/4GHzモデル)からとなっている。

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