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» 2018年07月20日 11時30分 公開

福田昭のストレージ通信(110) GFが語る埋め込みメモリと埋め込みMRAM(10):2xnm技術で試作した40Mビット埋め込みMRAM(後編) (1/2)

2xnm世代のCMOSロジック製造技術によって記憶容量が40Mビット(5Mバイト)の埋め込みMRAMマクロを試作した結果を報告する後編である。ここでは、長期信頼性(書き換えサイクル数とデータ保持期間)とはんだ付け耐熱性に関する試験結果を紹介する。

[福田昭,EE Times Japan]

125℃の高温下で100万回の書き換えサイクルに耐える

 今回は前後編の後編である。前編を覚えておられない方や未読の方は、一度、前編を読まれてから、本編をお読みすることを強くおすすめする。

 後編では、2xnm世代のCMOSロジック製造技術によって40Mビット(5Mバイト)の埋め込みMRAMマクロを試作した結果から、長期信頼性(書き換えサイクル数とデータ保持期間)とはんだ付け耐熱性に関する試験結果をご紹介する。

2xnm世代のCMOSロジック製造技術で試作した埋め込みマクロ。左上はシリコンダイの詳しいレイアウト。左下はシリコンダイ写真。右の表は設計仕様。出典:GLOBALFOUNDRIES(クリックで拡大)

 前編で述べたように、試作した埋め込みMRAMのMTJ(磁気トンネル接合)には、SRAM代替用MTJ「スタックA(Stack-A)」と、フラッシュメモリ代替用MTJ「スタックB(Stack-B)」がある。

 書き換えサイクル数は、SRAM代替用MTJ「スタックA(Stack-A)」のセルアレイ(1Kビット)で測定した。温度条件は25℃、105℃、125℃と変化させている。25℃と105℃の温度条件では、100万回の書き換えサイクルを経た後に十分な読み出しマージンを確保できた。ただし温度が上昇すると、読み出しマージン(トンネル磁気抵抗比)そのものは低下している。また125℃の温度条件では、100万回の書き換えサイクルを経ても不良は増加しなかった。

温度条件を変化させたときの書き換えサイクル特性(スタックA)。左は書き換えサイクル試験を完了した後に、読み出し動作におけるMTJの抵抗値のばらつきを異なる温度条件で調べた結果。中央は書き換えサイクル数と読み出しマージンの関係。書き換えサイクル数が増加しても、読み出しマージンは初期値とほとんど変わっておらず、100万回の書き換えサイクルを経ても劣化はみられない。出典:GLOBALFOUNDRIES

125℃の高温条件で、10年間のデータ保存期間を確保

 次はデータ保持期間である。こちらはフラッシュメモリ代替用MTJ「スタックB(Stack-B)」のセルアレイで測定した。設計目標は、1Mビットのセルアレイに対して温度が125℃の条件で、10年間のデータ保存期間をへたときに「1ppm以下の不良率」である。

 240℃〜260℃の高温条件下による加速試験の結果、磁気トンネル接合(MTJ)が平行(P)から反平行(AP)に移行した場合と、反平行(AP)から平行(P)に移行した場合の両方とも、設計仕様を満足することができた。

 ただしデータが反平行(AP)状態で保存された場合と、平行(P)状態で保存された場合では、データ保持特性に違いが生じた。この非対称性を緩和することが、今度の課題として残ることとなった。

1Mビットのメモリセルアレイにおけるデータ保持特性(スタックB)。グラフの横軸は温度の逆数(左が高温側)、縦軸は不良率が1ppmに達するまでの時間(対数目盛り)である。プロットは温度を240℃、250℃、260℃の高温条件で加速試験を実施した結果。加速試験の結果から、設計目標である125℃で10年間のデータ保持期間を確保できると推定した。出典:GLOBALFOUNDRIES(クリックで拡大)
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