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» 2018年08月20日 11時30分 公開

Over the AI(24)番外編 これがエンジニアの真骨頂だ:「シュタインズ・ゲート」に「BEATLESS」、アニメのAIの実現性を本気で検証する (7/9)

[江端智一,EE Times Japan]

超高度AI「ヒギンズ」と現行技術を比べる

 ですので、ここは超高度AI「ヒギンズ」と、現状の(クラウドを含めた)コンピュータ技術とを比較し、考察してみることにします。

(1)超高度AIのスタンドアロン化(=ブラックボックス化)について

 現在、企業が必死に、外部からのサイバー攻撃に対抗しています(実際、セキュリティ対策のために、従業員はかなりの労働時間を奪われています)が、それでも、思わぬところからウイルスなどの侵入を許し、企業内部のシステムを破壊されています(外部から内部への干渉)。

 逆に、超高度AIが外部システム(インターネット等)への接触(内部から外部への干渉)を望めば、人間が、それを止める手段はありません(超高度AIにとっては、人間にバレないように接触することなんぞ、たやすいはずです)。

 ということは、超高度AIをブラックボックスのままにしておける状態とは、「超高度AIであっても、積極的に外部の世界に関わりたいとは思っていない」と解釈できると考えています。

(2)箱庭とAASC(行動適応基準(Action Adaptation Standard Class))について

 これは、今、私がやっている研究内容(リアルタイムの都市制御)でも、同じ問題で頭を抱えています ―― スケーラビリティ ―― です。

 100万人オーダーの都市において、あるイベント(災害、事故)が発生したら、その直後から1時間〜数時間後の未来の都市の状態を予測する必要があります。

 しかし、それは、十分短い時間(数分以内)で完了させなければ、予測の意味がありません(例えば、台風が通過した後に、災害対策計画が提出されても意味がありません)。

 そこで、「ヒギンズ」も私も、仮想的な都市をパソコンの中に作り(箱庭)、さらに都市を構成する要素(人間、移動手段、物流手段等)を、単純化したオブジェクトとして配置し、そこに単純な行動基準(AASC)を与えることで、スケーラビリティの問題に対処しています。

 「ヒギンズ」と私のやっていることは、基本的に同じであり、100年後と言えども、「コンピュータが無限の計算能力を持っている訳ではない」と解釈できると考えています。

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