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» 2018年08月24日 09時30分 公開

注目すべき35の先進テクノロジー:2018年のテクノロジーハイプサイクル、Gartnerが発表

米調査会社のGartner(ガートナー)は、「先進テクノロジーのハイプサイクル:2018年」を発表した。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

AIなどが極めて重要な役割果たす

 米調査会社のGartner(ガートナー)は2018年8月20日(米国時間)、「先進テクノロジーのハイプサイクル:2018年」を発表した。この中で、今後5〜10年にわたって競争優位性をもたらす可能性の高い、5つの先進テクノロジートレンドを明らかにした。

 ガートナーは、2000件を上回るテクノロジーを分析し、その中から2018年版では35の先進テクノロジーに注目した。特に、AI(人工知能)などの技術が極めて重要な役割を果たすという。これらのテクノロジーによって実現可能となる先進テクノロジートレンドを示した。

 5つの先進テクノロジートレンドとは、「AIの民主化」「エコシステムのデジタル化」「DIYバイオハッキング(自己流の遺伝子実験)」「透過的なイマーシブスペース」そして、「ユビキタスインフラストラクチャ」である。

先進テクノロジーのハイプサイクル2018年 (クリックで拡大) 出典:Gartner

「AIの民主化」――10年後にはどこにでも存在

 ガートナーは、「AIテクノロジーは今後10年間で、ほぼどこにでも存在するようになる」と分析する。この結果、「AIの民主化」が起こり、誰もが使える技術になるとみている。こうしたトレンドを可能にする技術として、「AI PaaS(サービスとしてのAIプラットフォーム)」「汎用AI」「自律走行(レベル4および5)」「自律モバイルロボット」「会話型AIプラットフォーム」「ディープニューラルネット(ディープラーニング)」「空飛ぶ自律走行車」「スマートロボット」および、「仮想アシスタント」を挙げた。

 ガートナーのリサーチバイスプレジデントを務めるMike J. Walker氏によれば、「ディープラーニングや仮想アシスタントなどは、今後2〜5年で主流の技術となる。スマートロボットやAI PaaSの技術も間もなく頂点を越えるだろう」と述べる。

「エコシステムのデジタル化」――新しいビジネスモデルの基盤

 「エコシステムのデジタル化」は、「人とテクノロジーを橋渡しする、新しいビジネスモデルの基盤」と位置付ける。これを実現するための技術として、「ブロックチェーン」「ブロックチェーンによるデータセキュリティ」「デジタルツイン」「IoT(モノのインターネット)プラットフォーム」「ナレッジグラフ」を挙げた。

 中でも、ブロックチェーンとIoTプラットフォームは既に「過度な期待」のピークを越え、今後5〜10年で成熟すると予測する。「デジタルツインとナレッジグラフがそのあとに続く」とみている。

「DIYバイオハッキング」――課題は倫理的問題

 「バイオハッキング」は、「テクノロジーの強化」「ニュートリゲノミクス(栄養ゲノム学)」「実験生物学」「グラインダーによるバイオハッキング(人体への電子機器の埋め込み)」と、4つのカテゴリーに分類している。倫理的問題など解決すべき課題はあるが、今後10年以内には生活スタイルや健康上の理由から、バイオハッキングが可能になるとみている。

 DIYバイオハッキングを実現するための技術として、「バイオチップ」「バイオ技術(培養組織/人工生体組織)」「ブレインコンピュータインタフェース」「拡張現実(AR)」「複合現実(MR)」「スマートファブリック」を挙げた。MRは既に幻滅期にあり、ARも幻滅期のそこに達した。バイオチップは「過度な期待」のピーク期にあり、今後5〜10年で生産の安定期に入ると予測する。

「透過的なイマーシブスペース」――技術の進化は人中心

 技術は今後も、「人中心」に進化を続け、人とビジネス、モノが透過的に関係するようになる。これによって、活動する生活空間やワークスペースは、よりスマート化される。これを可能にするための技術として、「4Dプリンティング」「コネクテッドホーム」「エッジAI」「自己修復システムテクノロジー」「シリコン負極電池」「スマートダスト」「スマートワークスペース」「立体ホログラフィックディスプレイ」を挙げた。これらの技術はほとんどが「過度な期待」のピーク期に向かっているという。

「ユビキタスインフラストラクチャ」――クラウドコンピューティングが大衆化

 ユビキタスインフラストラクチャを支える技術としてガートナーは、「5G(第5世代移動通信)」「カーボンナノチューブ」「ディープニューラルネットワーク向けASIC」「ニューロモルフィックハードウェア」「量子コンピューティング」を挙げた。特に、「5G」と「ディープニューラルネットワーク向けASIC」は、今後2〜5年間で生産性の安定期に達すると予測した。

 クラウドコンピューティングとそれに関連する技術が登場して、インフラストラクチャは大衆化した。これにより、「いつでも」「どこでも」制限されずに利用可能なコンピューティング環境を実現した。

世界8カ国でイベント開催

 ガートナーは、「先進テクノロジーのハイプサイクル」に関する詳細な情報を「Gartner Symposium/ITxpo」で紹介する。同イベントは2018年9月17〜19日開催の南アフリカ会場を皮切りに、世界8カ国で行われる。日本会場は2018年11月12〜14日に東京で開催予定となっている。

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