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ルネサスがIDT買収を発表、約7300億円で買収完了は2019年前半見込み

ルネサス エレクトロニクスは2018年9月11日、米国の半導体メーカーであるIntegrated Device Technology(IDT)を買収すると発表した。買収金額は約67億米ドル(約7300億円)。

» 2018年09月11日 10時45分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2018年9月11日、米国の半導体メーカーであるIntegrated Device Technology(以下、IDT)を買収すると発表した。買収金額は約67億米ドル(約7300億円)で、買収完了は2019年前半を見込んでいる。

銀行から新たに調達する予定の借入金約6790億円

 ルネサスとIDTの両社は9月11日に今回の買収に関する最終契約を締結。今後、IDT株主総会での承認、関係各国での買収承認取得などの手続きを経て、ルネサスがIDTの株式を1株当たり49米ドルで買い取り、IDTはルネサスの完全子会社になる。買収には、手元資金に加え、主要取引銀行から新たに調達する予定の借入金約6790億円を充てるという。

 IDTは、タイミングデバイス、メモリインタフェースIC、無線給電用デバイス、センサーデバイスなどを展開するミックスドシグナル製品を展開。2018年3月期の業績は、売上高8億4280万米ドル(約927億円)、営業利益1億1090万米ドル(約122億円)だった。

 ルネサスはIDT買収の狙いとして「補完性が高い製品獲得によるソリューション提供力の強化」「事業成長機会の拡大」の2点を挙げる。

 ルネサスは、「RF、高性能タイミング、メモリインターフェイス/パワーマネジメント、オプティカル・インターコネクト、ワイヤレスパワー、スマートセンサーなど、さまざまな機能を持つ広範なアナログ・ミックスドシグナル製品を獲得する。これらの製品群と当社が高い実績を誇るマイコン/SoCおよび、パワーマネジメントICとの組み合わせにより、組み込みシステムの増大、高速化する情報処理要求に対して、外部センサーからアナログフロントエンドデバイスおよび、プロセッサやインターフェイスに至るまで網羅的なソリューションの提供が可能となり、最適なシステムを構築する」と発表文でコメント。また、「IDTのアナログ・ミックスドシグナル製品は、データの取得、保存、伝送といった、データエコノミーの成長を支える上での重要なデバイスであり、本買収を通じて当社は、データセンターや通信インフラ向けなど成長著しいデータエコノミー関連分野において事業領域を拡大するとともに、産業、自動車分野でのポジション強化を実現する」としている。

 なお、ルネサスは2018年9月11日午前11時から都内でIDT買収に関する会見を開催する。


会見の模様はこちらから⇒ルネサスのIDT買収会見要旨【随時更新】

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