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CEATEC JAPAN 2018 特集
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» 2018年10月18日 09時30分 公開

CEATEC 2018:ローム、「地震」と「外来ノイズ」を正しく検知

ロームは、「CEATEC JAPAN 2018」で、地震を正確に検知することができる「地震検知センサーモジュール」や、センサーAFE向けFlexiblePlatform「BD40002TL」などのデモ展示を行った。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

地震の検知精度は97.6%

 ロームは、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉・幕張メッセ)で、地震を正確に検知することができる「地震検知センサーモジュール」などのデモ展示を行った。

 開発中の地震検知センサーモジュールは、揺れを検知する加速度センサーと、収集したデータを解析するMCUなどを搭載した。モジュールの外形寸法も11.0×9.0×2.0mmと小型である。このモジュールの大きな特長は、独自開発のアルゴリズムを活用し、揺れの原因が「地震」か「外来ノイズ」によるものかを正しく判別できることだ。

 例えば、地震の波形は緩やかに揺れ始め、継続的な揺れが数十秒から数分間続くという。これに対し、人間などが装置にぶつかって生じる外来ノイズは、急峻(きゅうしゅん)に揺れ始め、数秒から十数秒と瞬間的であり、単発の揺れとなる。こうした波形の違いを解析することで、誤検知を低減する。

 地震検知には、SI(Spectral Intensity)値を用いた。これは、発生した地震によって、一般的な建物にどの程度被害が出るかを数値化したものである。「過去に発生した205例の地震データを用いて、地震検知センサーモジュールを検証したところ、200例を正しく検知できた。検知精度は97.6%と高い」(説明員)と話す。

 ブースでは、地震検知センサーモジュールを装着した自動販売機を模擬し、この装置を加振器の台に載せてデモを行った。加振器で揺れを徐々に大きくし、震度5以上の揺れをセンサーが感じると、センサーモジュールからの出力を受けて、PC画面に「地震を検知しました」と表示。ところが、説明員が強く台をたたいて発生した振動では、「これは地震ではありません」と表示された。

地震検知センサーモジュールのデモの模様

 同社は、大きな地震が発生した時に、これを正しく検知/判断した上で、システムの制御や設定変更などが必要となる住宅用分電盤や自動販売機、エレベーターなどの用途に提案する予定である。

センサーAFEの開発効率を格段に改善

 センサーシステムの開発期間を削減できるセンサーAFE(Analog Front End)向けFlexiblePlatform「BD40002TL」も来場者の注目を集めた。さまざまな機器がインターネットでつながるIoT(モノのインターネット)時代には、膨大な数のセンサー素子が利用される。これらセンサー素子で収集したアナログ信号を、MCUなどで処理するための信号に変換するのがセンサーAFEである。

 センサーシステムは、その多様化や精度の高いデータ出力の要求などが強まる。こうした中で、開発期間の効率化も含めて、これらの要求に対応できる柔軟なセンサーAFEのニーズが高まっていた。BD40002TLは、「システム最適化」と「高い開発効率」を両立させたソリューションとなる。具体的には、AFE設計の手戻りも含めた開発期間や性能確認の期間に、従来は12〜24カ月も要していた。これがBD40002TLを活用することで、約1カ月に短縮できるという。

 BD40002TLの回路構成は、大きく「アナログシステム部」と「デジタルシステム部」からなる。アナログ部向けには、計装用アンプブロックや12/8ビットD-Aコンバーター、16ビットΔΣ型A-Dコンバーター、12ビット逐次比較型A-Dコンバーター、低ノイズアンプなど13種類23個のアナログペリフェラルが用意されている。デジタル部向けにはAFE回路を制御するCPUコアやFPGA、フラッシュメモリ、DSPおよび、各種インタフェースなどを用意した。

 これらを、同社が提供するGUIツール「RapidMaker」を用いて選択すれば、比較的容易に回路を再構成し、センサーシステムに最適なAFEを実現することができるという。ブースでは、磁気センサーや赤外線センサー、圧力センサーなどを用意し、ボタンを押すと各センサーに適したAFEに切り替わるデモ展示を行った。

入力のセンサーに応じてAFEを再構成するデモの模様。中央にある水色のパッケージがBD40002TL

 仕様検討時に用いるBD40002TLは、そのまま量産モデルに搭載することも可能だが、冗長部分を省いたセミカスタム製品や、小型で低消費電力を追求したフルカスタム製品にも対応する予定だ。

CMOSオペアンプ、ノイズ性能をバイポーラ品と同等かそれ以上に

 この他、ソナーによる距離計測のデモ展示を通じて、低ノイズCMOSオペアンプ「LMR1802G-LB」を紹介した。オペアンプは微小な信号を増幅するICだが、センサー用途ではアンプが出力するノイズ(入力換算雑音電圧密度)の影響も無視できない。

 LMR1802G-LBは、独自の回路技術とプロセス技術を駆使することで、CMOSオペアンプの弱点とされてきたノイズ性能を改善した。ノイズ指標は周波数1kHzで2.9nV/√Hzと従来の約半分、周波数10Hzで7.8nV/√Hzと従来の約3分の2と、それぞれ改善した。これは、「バイポーラオペアンプと同等かそれ以上のノイズ性能である」(説明員)と述べた。

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