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» 2018年11月16日 09時30分 公開

福田昭のストレージ通信(124) 3D NANDのスケーリング(12):絶縁膜の埋め込みと平坦化が、複雑な形状の加工を支える (1/2)

3D NANDフラッシュ製造における重要技術(キープロセス)の一つである「絶縁膜の埋め込み(Isolation Fill)」技術と、「平坦(へいたん)化(Planarization)」技術を紹介する。

[福田昭,EE Times Japan]

深さ5μm前後、長さ数mmの複雑な形状に絶縁膜を埋め込む

 半導体メモリ技術に関する国際会議「IMW(International Memory Workshop)」では、カンファレンスの前日に「ショートコース(Short Course)」と呼ぶ1日間のセミナーを開催している。今年(2018年)5月に開催されたIMWのショートコースでは、9件の技術講座(チュートリアル)が午前から午後にかけて実施された。その中から、3D NANDフラッシュメモリ技術に関する講座「Materials, Processes, Equipment Perspectives of 3D NAND Technology and Its Scaling(3D NAND技術とそのスケーリングに関する材料とプロセス、製造装置の展望)」がとても参考になったので、その概要をシリーズでお届けしている。講演者は半導体製造装置の大手ベンダーApplied MaterialsのSean Kang氏である。

 なお講演の内容だけでは説明が不十分なところがあるので、本シリーズでは読者の理解を助けるために、講演の内容を適宜、補足している。あらかじめご了承されたい。

 前回は、3D NANDフラッシュ製造における重要技術(キープロセス)の一つである、「メモリセルの形成(Cell Formation)」技術を解説した。今回は、同じくキープロセスである「絶縁膜の埋め込み(Isolation Fill)」技術と、「平坦(へいたん)化(Planarization)」技術を紹介する。

 本シリーズの第8回第9回で説明したように、3D NANDフラッシュメモリでは「ステアケース」と呼ぶ階段状のパターンに並んだ制御ゲートと、周辺回路のゲート電極に対して、非常に細くて長いコンタクト電極を形成して最上層の金属配線とゲートを結線する必要がある。

 ここでコンタクト用の細くて長い孔を形成する前にしておかなければならないのが、「絶縁膜による埋め込み」である。深さにして5μm前後と、長さにして数mmという深くて広くて複雑な形状(ステアケースとメモリセルのスリット)に、絶縁膜(シリコン酸化膜)を埋め込まなければならない。

3D NANDフラッシュメモリの断面構造図と、「絶縁膜の埋め込み(Isolation Fill)」部分(橙色の実線で囲んだ部分、上方は拡大図)。断面図では灰色の細長い柱群(ステアケースとペリフェラル)を取り囲む水色の領域が絶縁膜、拡大図では黄土色の領域が絶縁膜である (クリックで拡大) 出典:Applied Materials
「絶縁膜の埋め込み(Isolation Fill)」技術の概要と課題、解決策のまとめ (クリックで拡大) 出典:Applied Materials
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