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RISC-V、関心は高いが普及には障壁も懸念点も(1/2 ページ)

RISC-Vは今や、SoC(Sytem on Chip)に深く組み込まれたコントローラーとしての足掛かりを確立するに至った。そこで次に、「このオープンソースのISA(命令セットアーキテクチャ)は、ホストプロセッサとして、Armやx86の代替へと大きく飛躍することができるのだろうか」という疑問が生じている。

» 2019年02月18日 13時30分 公開
[Rick MerrittEE Times]

 RISC-Vは今や、SoC(Sytem on Chip)に深く組み込まれたコントローラーとしての足掛かりを確立するに至った。そこで次に、「このオープンソースのISA(命令セットアーキテクチャ)は、ホストプロセッサとして、Armやx86の代替へと大きく飛躍することができるのだろうか」という疑問が生じている。

 その簡単な答えは「イエス」だ。しかし、それまでには数年間を要する上、さまざまな障壁が待ち受けているだろう。基本的に、RISC-Vの背後にある自由なオープンソースコミュニティーは、幅広い種類のシステムレベル標準規格を策定し、順守する必要があるだろう。

 NVIDIAとWestern Digitalは現在、自社のSoCにRISC-Vコントローラーを搭載する計画を立てている他、Microsemiも新しいFPGAで採用する予定だという。AndesとCortus、SiFiveはIP(Intellectual Property)コアの販売を手掛け、数社の新興企業が、そのIPコアを使用した機械学習アクセラレーターを開発する予定だとしている。

 RISC-Vは中国国内で、約2000万個のフィットネスバンドやスマートウォッチで採用されている。米国では、SiFiveが、プロセッサを使用した開発ボードを2500個以上出荷しており、IPコアとして販売するか、または設計サービスを介してSoCとして販売する予定だという。

 非営利団体のRISC-V Foundationでエグゼクティブディレクターを務めるRick O’Connor氏は、「最も簡単に達成できる目標として挙げられるのは組み込み分野だ」と述べる。さらに同氏は、「モバイルからサーバ、自動車、FA(ファクトリーオートメーション)向けのリアルタイムシステムに至るまで、プロセッサアーキテクチャのあらゆる側面に実装されている」と続けた。

 RISC-V Foundationは規格の承認後、直ちにセルフテストのコンプライアンステストに関する詳細を打ち出す予定だとしている。メーカー各社は、テストを実施して、自社の製品が規格に準拠していることを証明することができる。

 RISC-Vソフトウェアの専門家は、2018年6月に行われた講演の中で、「ソフトウェアに関しては、Fedora Linuxバージョンが、SiFiveの参照ボード『Freedom Unleashed』上で動作している。また、他にもいくつかのLinuxポートが現在開発されているところだ。FreeBSDバージョンは、RISC-V向けとして利用できる他、Debianポートの開発も本格化している。また、Yocto組み込みLinuxポートや、FreeRTOSバージョン、オープンソースのRTOSZephyrなどの開発も進められている」と述べている。

SiFiveが提供している開発ボード。Fedoraポートを使い、FPGAとSSDに接続されている 写真:Red HatのRichard W. M. Jones氏(クリックで拡大)
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