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Googleのモジュール式スマホ、「興味深いが欠点も多い」2015年1月に発売予定(1/2 ページ)

欲しい機能を組み合わせてカスタマイズできるとして、注目を集めるGoogleのモジュール式スマートフォン。米国で開発者会議が開かれ、MDK(Module Developer Kit)が公開された。参加者からは、同スマートフォンについて「興味深いが欠点も多い」との声も聞かれた。

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 Googleは、2014年4月15〜16日に米国カリフォルニア州マウンテンビューにあるコンピュータ歴史博物館で初めての開発者会議を開催し、モジュール式スマートフォンプロジェクト「Project Ara」のモジュール開発キット「Module Developers Kit」を披露した(関連記事:Googleがモジュール式自作スマホ「Project Ara」で狙うもの)。

 Project Araを主導するPaul Eremenko氏は、参加者に対し、「皆さんにはプロジェクトの進捗状況の他、われわれが直面している課題やリスクをよく知ってもらいたい。そうすれば、これから先Project Araに投資することが賢明あるいは妥当なことなのか、判断できると思う」と述べた。


モジュラー式スマートフォンを製作するプロジェクト「Project Ara」 出典:Google

 Project Araのスマートフォンは、20×20mmのサイズを基本とした磁性モジュールと「endoskeleton」と呼ばれるフレームで構成される。4×7インチ、3×6インチ、2×5インチのサイズのスマートフォンを作ることができる。Eremenko氏によれば、2014年9月にプロトタイプを公開し、2015年1月にはエントリーモデル(Grey Phone)を発売するという。

 プロトタイプはTexas Instruments(TI)のプロセッサ「OMAP 4460」や、ARMの「Cortex-A9」、Melexisのイメージセンサー、TIのパルスオキシメーター(酸素濃度計)などを搭載するという。別のサイズのプロトタイプを開発した場合、これらとは異なるプロセッサが搭載される可能性もある。


電源のダイアグラム 出典:Google

 NK Labsの機械部門の主任技術者で、プロジェクトと同じ名を持つAra Knaian氏は、EE Timesに対して次のように語った。「TIのプロセッサを用いたのは、公的に入手可能なデータシートを持つ唯一のモバイルプロセッサであり、入手しやすいオープンソースのプラットフォームを実現するには最適だったためだ」(同氏)。

 MDKには、リファレンス実装、モデルテンプレート、サンプルコードなどが含まれている。

 NK LabsのSeth Newburg氏は、プロトタイプでは複数の電池が並列に接続されていて、高速なデータ通信を行って電池が減った場合には、低消費電力のハイブリッドモードに切り替わる。

 今回のカンファレンスに参加していた、アメリカン航空(American Airlines)の担当者の1人は、従業員向けの専用端末をカスタマイズしたいと考えているという。モジュール式端末は、翻訳機として使用する他、チェックインを簡素化したり、客室乗務員向けに医療サポートを提供するというような用途が想定できる。このため、搭乗員たちの特定のニーズへの対応が難しい大型のシステムを置き換える可能性がある。

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