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ナノインプリント技術を応用、照明用ELパネルの光取り出し効率を改善第24回ファインテックジャパン

JX日鉱日石エネルギーは、ナノインプリント技術を応用した機能性フィルム基板の開発品を展示した。基板上に微細な構造を作り込むことで、LED照明や有機ELパネルなどからの光取り出し効率を高めたり、外光の反射を防止したりすることができる。

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 JX日鉱日石エネルギーは、薄型ディスプレイ関連の総合展示会「第24回ファインテックジャパン」(2014年4月16〜18日、東京ビッグサイト)において、ナノインプリント技術を応用した機能性フィルム基板の開発品を展示した。基板上に微細な構造を作り込むことで、LED照明や有機ELパネルなどからの光取り出し効率を高めたり、外光の反射を防止したりすることができる。

 機能性フィルム基板は、作り込む構造の違いによって、光の取り出し効率を高めたり、光を閉じ込めたり、外光の反射やくもりを防止したりといったさまざまな機能を実現することができる。

 例えば、照明用の有機ELパネルの光取り出し基板は、「コルゲート構造」と呼ばれる独自のパターンを形成している。従来のガラス基板を用いると、発光した光の取り出し効率は最大20%で、大半が基板内に閉じ込められてしまう。これに対して、1μm以下の疑似周期構造を作り込んだコルゲート基板を用いると、光の取り出し効率は30~40%まで向上するという。この構造は幅400mmのフィルム基板や外形寸法が400×500mmのガラス基板に対応することができる。


画像では分かりづらいが、展示品では明らかにコルゲート構造を採用した有機ELパネルが明るく見えた。

 これ以外にも250nm程度の突起構造を設けることで、外光の反射を防止するフィルム基板や、凹凸構造を設けることでくもりを防止するフィルム基板などを紹介した。さらに、ピラー構造やホールアレイ構造などについても基本的な対応が可能であることを示した。必要に応じて顧客と共同で、要求される特性を実現するための最適な構造や材料を検討していくという。

 今回は開発品としての展示となったが、「生産を始める体制はすでに整っている」(説明員)こともあり、自社設計のコルゲート基板などから事業を本格的に展開していく予定だ。

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