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ルネサス、誰でもモーター制御できる仕組みを公開へ”動くモノ”を作りたいメイカーズに向けて(1/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクスは2014年11月、個人レベルでは作りづらいモーター制御システムを簡単に制作できるようにすることを目指した開発プロジェクトを立ち上げたと発表した。既に同プロジェクトで、C言語プログラムを記述するスキルがあれば、本格的なモーター制御が行えるというシステムを構築し、将来的には同システムに関する情報を広く公開していく方針だという。

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 3Dプリンタや、「Arduino」「Raspberry Pi」といった小型マイコンボード(ワンボードマイコン)の登場で、これまで企業レベルでしか作れなかったようなモノが、個人レベルでも比較的簡単に作れるようになってきた。

 こうした個人でモノづくりを行う“MAKERS”(メイカーズ)がアイデアを考案し、試作したモノを製品化する際に資金援助するような仕組みも整いつつあり、今後もモノづくりを行う個人の数は増加するとされている。

少ない個人製作での“動くモノ”


水野正之氏らルネサス エレクトロニクス インキュベーションセンターが着目した“動くモノ”のイメージ (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 ただ現状、メイカーズ/個人レベルで製作できるモノは、マイコンボードをベースにセンサーやディスプレイを取り付けた形の機器が多く、モーターなどアクチュエーターを備えた“動くモノ”は少ない。

 「ハッカソンなどのメイカーズのイベントで作られるモノのうち、モーターなどを備えた“動くモノ”は1割程度にとどまる。しかし、アイデアレベルでは、モーターを使って“動くモノ”を作りたいと思っている人は多いはず。“動くモノ”を作るメイカーズやベンチャー企業が少ない原因は、モーター制御の複雑さに原因がある」とルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)の水野正之氏は分析する。

 実際、モーターの速度やトルク、角度を制御するには、多くの技術的知識が必要になる。モーターの構造理解から始まり、制御工学、電子回路設計技術、さらにはデジタル信号処理技術やソフトウェアプログラミング技術までが問われる。メイカーズ/個人がモーター制御するには、かなり高いハードルを超えなければならない。アクチュエータの基本であるモーターを誰でも簡単に制御できるような仕組みが生まれない限り、メイカーズが“動くモノ”を作ることは増えないだろう。

 マイコンなどルネサス製品の新規用途開拓などを担うルネサス インキュベーションセンターのセンター長である水野氏らは、こうしたメイカーズに立ちはだかるモーター制御の壁を取り除くことで、新たなマイコン市場が創出できると注目。同センター内に誰でもモーター制御できる仕組み作りを目指す「ルネサス“動くモノ”開発プロジェクト」を立ち上げた。

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