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小米(シャオミ)創世記――粒ぞろいの経営者たち注目度No.1のスマホメーカーといえば、ここ(1/3 ページ)

今やサムスン、Appleに次ぐ世界第3位のスマートフォンメーカーとなった中国のXiaomi。だが2014年初頭は、世界的にはほとんど騒がれていなかった。Xiaomiの生い立ちを、7人の経営者のバックグランドとともに紹介する。

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※第2部となる「あくまで高性能な部品を、シャオミのこだわり」はこちらからご覧ください。

 2014年第3四半期に、Samsung Electronics(サムスン電子)、Appleに続く第3位のスマートフォンメーカーに躍進した中国のXiaomi(シャオミ/小米科技)。同社のAndroidスマートフォンは“「iPhone」そっくり”と言われることもあるが、中身を見ればその性能は確かだ。インターネットのみで販売するという独自の戦略が“希少価値”を生み出しているのか、同社のスマートフォンの人気は上がる一方である(関連記事:世界3位のスマホメーカー シャオミ、躍進の理由を探る)。

 だがXiaomiがこれほど注目されるようになったのは、ごく最近だ。以下は、米国EE Timesが2014年3月に掲載したインタビュー記事だが、当時(といってもほんの8カ月前だ)は、世界的にはほとんど騒がれていなかったのである。

民生でのビジネス実績はない

 Xiaomiにはもともと、民生機器ビジネスにおける実績が全くなかった。それでも同社は、Motorola Mobility(レノボがGoogleから買収)、Nokiaなどが撤退した後を継ぎ、過酷な競争が繰り広げられている消費者市場での生き残りをかけて、道を切り開いてきた。

 Xiaomiは、業界の一般通念をほぼ否定するという戦略をとってきたが、これまでのところうまく機能しているようだ。ただ、何百万人もの熱狂的なXiaomiファンを獲得することはできたものの、そのほとんどが中国国内のユーザーに限られている。同社は2010年に設立され、そのわずか2年後の2012年には、中国国内におけるスマートフォン販売台数が719万台に、売上高は126億人民元(約2430億円)に達した。さらに、2013年のスマートフォン販売台数は1870万台で、売上高は187億人民元(約3600億円)だったという。

 Xiaomiはこれまで、市場における優位性の獲得を実現する上で、従来の常識を覆すような手法を多く採用してきた。例えば、高性能スマートフォンの販売価格を、部品コスト(BOM:Bill of Materials)を下回る価格に設定したり、販売店やサードパーティーの流通経路は持たずにインターネットでのみ製品を販売したりする、といった具合だ。また、製品開発ではODMを利用しないという。さらに、展開する製品の種類を制限することで、長い製品サイクルを維持している他、ソフトウェアアップデートを週1回という頻度で行ったりもしている。

 またXiaomiは、自社製品向けに設計された全ての部品の調達先をあえて公開している。Xiaomiの共同創設者でありプレジデントを務めるBin Lin氏は、EE Timesが行った1対1のインタビューの中で、「既存の携帯電話機メーカーは、こうした情報を企業秘密のように扱っている。しかし当社は違う。当社のようにインターネットで販売を行う企業が顧客の信頼を獲得するには、情報公開によって製品を透明化することが重要だ」と語っている。


Xiaomiの共同創設者兼プレジデントのBin Lin氏
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