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光触媒を活用するパナソニックの次世代浄水技術新技術(1/3 ページ)

パナソニックは「エコプロダクツ2014」において、光触媒を用いた水浄化技術を展示。新開発した粒子状の光触媒を利用することで、従来の技術と比較して水中の有害物質を約100倍の速度での浄化が可能になったという。2018年までに実用化のめどを立てるとしている。

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 パナソニックは「エコプロダクツ2014」(2014年12月11〜13日、東京ビッグサイト)で、光触媒を利用した水浄化技術を一般公開した。同社が新開発した粒子状の光触媒を利用することで、従来の技術と比較して水中の有害物質を約100倍の速度での浄化が可能になったという。現在、新興国向けに同技術を利用した浄化装置の開発を進めており、2018年までに実用化のめどを立てるとしている。


新興国で深刻化する飲料水事情

パナソニック 先端研究本部 デバイス研究室 スマートウォーター研究部 光化学デバイス研究課の猪野大輔氏(左)と、飲料水不足の現状(右)(クリックで拡大)出典:パナソニック

 パナソニックが光触媒を利用した水浄化技術を開発した背景には、新興国などにおいて深刻化している水不足や水質汚染といった問題があったという。パナソニック 先端研究本部 デバイス研究室 スマートウォーター研究部 光化学デバイス研究課の猪野大輔氏は「新興国などの水道網を発達させることが難しい地域では、地下水を飲料水として利用する必要がある。しかし、例えばインドの場合、工業廃水やヒマラヤ山脈に含まれるヒ素などの有害物質による地下水の汚染が進んでおり、多くの人が健康被害に苦しむなど、深刻な社会問題になっている」と説明する。

 一般的にこうした新興国では、汚染水をRO(逆浸透膜)ろ過で浄化しているという。しかしROろ過の場合、例えば10tの汚染水をろ過すると5tの浄化水を得られる一方で、同量の濃縮された汚染水が排出されるため、その処理が課題となる。「下水道が整備されていない新興国では、排出された汚染水は地下貯蔵庫に保管する場合が多い。しかし、場所や管理コストの面で限界がある」(猪野氏)。

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