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UMCが28nm市場で伸び悩み、TSMCが圧倒的優位2017年には14nm FinFETの量産を開始予定

台湾UMCが、28nmプロセスを適用した半導体市場において、同社の売上高が伸び悩む見込みであることを明らかにした。同社は、TSMCやSamsung Electronicsに追い付くべく、2017年には14nm FinFETの量産を開始するとしている。

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 世界第2位の半導体ファウンドリであるUMCは、28nmプロセスを適用した半導体市場における売上高が今後伸び悩む見込みであることを明らかにした。半導体業界では、在庫調整から抜け出すべく取り組みが進められているが、2016年前半ごろまでは引き続き需要が弱い状況が続くとみられるためだという。

 UMCの売上高全体のうち、最先端の28nmプロセス技術が占める割合は、2015年第2四半期に11%に達した後、同年後半には約10%に減少する見込みだ。UMCは2014年半ばごろから、28nm半導体市場において足場を固めるための取り組みを進めてきた。同市場では過去5年間にわたり、最大のライバル企業であるTSMCが圧倒的な優勢を維持している。

 UMCのCEO(最高経営責任者)であるPo Wen Yen氏は、同社の2015年第2四半期の決算報告を発表したアナリスト向けカンファレンスコールの中で、「経済情勢の見通しが不透明であることから、全体的な需要が低迷している。このため2015年後半も、在庫調整が続く見込みだ」と述べている。

 UMCは、「当社の売上高全体に占める28nm半導体の割合は、2016年第2四半期には約15%まで回復するとみている。また、28nmプロセスの製造能力は、2016年第3四半期までに8インチウエハー換算で月産およそ3万枚を達成できる見込みだ。これにより、新しいプロセス技術の利益性を全体的に高められるようになる」と述べている。

 UMCは2015年4月の時点で、「当社の28nm半導体の顧客数は20社を超える。2015年末までには、複数の顧客企業に向けて5製品以上を提供できる見込みだ」と述べていた。

TSMC「シェアを守り抜く」

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 一方、TSMCは2015年7月16日、「当社が今後、成熟技術の分野において、市場シェアを明け渡すようなことは決してない」と述べ、28nm半導体市場におけるシェアを守り抜いていくことを宣言している。同社の2015年第2四半期における売上高全体のうち、28nm半導体の占める割合は27%で、最も大きかったという。

 UMCの設備投資額は、2014年には14億米ドルだったが、2015年は18億米ドルを計上している。当面の間は、この予算を維持していく予定だという。

 UMCによれば、同社のウエハー出荷量(8インチウエハー換算)は、2015年第2四半期には154万枚だったが、同年第3四半期はその約5%減となる見込みだという。また、同年第3四半期の平均販売価格(ASP:Average Selling Price)(米ドル換算)は、同年前期比で約3%下落するとみられる。2015年第3四半期の設備稼働率は、同年前期の94%から、高水準ながらも80%程度まで下がるとみられている。

 UMCは、14nmプロセスを適用したFinFETの量産を2017年前半にも開始する予定だとしている。同社はTSMCやSamsung Electronicsに追い付くために、20nmプロセスをスキップして14nmチップの開発を進めてきた。Samsungは14nm FinFETの量産を2015年初頭に開始しており、TSMCは2015年半ばにも16nm FinFETの量産を始める予定だ。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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