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Googleのデータセンターでデータ消失が発生落雷が原因?

ベルギーにあるGoogleのデータセンターで8月13〜17日にかけて、リードエラー/ライトエラーが発生し、ごく一部ではあるがデータが消失したという。周辺で発生した落雷が原因ともいわれている。

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 ベルギーのサンギスランにあるGoogleのデータセンターにおいて、2015年8月13〜17日(現地時間)にかけてリードエラー/ライトエラーが頻発し、ごく一部ではあるがデータ消失が発生したという。周辺では4回の落雷があり、それが原因ではないかとみられている。

 データセンターや商業ビルは、落雷から保護する構造がとられている。Googleは、落雷によって電力供給が遮断されたとしているが、パーシステントディスクがどのような影響を受けたかに関しては詳細を明らかにしていない。緊急電力装置は予定通りに作動したが、ディスクシステムのバッテリーバックアップの一部が想定通りに実行されなかったと考えられる。

 Googleクラウドオペレーションチームは、Google Cloud Statusのページで概要を説明している。これによると、「自動補助システムによって、すぐに電力が復旧した。しかし、ストレージシステムはバッテリーバックアップを使用した設計であるため、直近に書き込まれたデータがストレージシステムに残っていた。ストレージ上のデータは電力遮断の影響を受けやすく、バッテリーの放電が想定より長い時間もしくは複数回起こったことで今回のような事態が発生したと考えられる」という。

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 ただし、Google Cloud Statusの概要では、落雷が繰り返し発生したことで、パーシステントディスクへの電力供給が複数回遮断されたかどうかは明らかにされていない。

 英国BBCの報道では、Googleのデータセンターが4回の落雷を受けたとは明示していないと指摘している。Googleは、「欧州のデータセンターの電気システムが4回発生した落雷の影響を受けた」と述べているだけだ。

 つまり、データセンターの周辺の商用電源配電施設または電気通信回線が何度か落雷を受け、ビル内の装置に影響が及んだという可能性も考えられる。または、落雷によって、データセンターで電圧サージが発生したという可能性もある。データセンターでは必ず、電圧サージの回避策が講じられているが、電圧サージが繰り返し発生したり想定外の電気現象が発生したりしたことで装置の不具合が発生し、一時的に電力が遮断されたのではないかと考えられる。米国アイオワ州にあるGoogleのデータセンターでは2014年に、電力サージもしくはその他の電気現象によって、電圧サージ抑制ボックスが一時的に故障し、データセンター全体で電力供給が順次抑えられるという事象が発生した。

 概要報告によると、Googleの事故では「ほぼ全てのデータは安定したストレージに無事に格納されたが、システムを通常運転に復旧させるには手動操作が必要だった。ただし、直近に書き込まれたデータのうちごく一部は復旧できず、パーシステントディスク上のデータが消失する結果となった」という。

 Googleは、今回の件で影響を受けたとみられるパーシステントディスクの容量は、サンギスランのデータセンターで使用できる全容量の「0.000001%」だとしている。Googleは、データの消失について謝罪している。

 落雷といえば、2011年にも同様の障害が発生した。同年8月、アイルランドのダブリンで落雷が発生し、近くにあったAmazonとMicrosoftのデータセンターの電源が喪失している。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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