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補償部品も集積した電源モジュール――マキシムプラグアンドプレイを実現する(1/2 ページ)

Maxim Integrated Products(マキシム)は、電力効率が高い同期整流型DC-DCコンバータICと、このICを搭載した次世代パワーモジュールの事業を強化する。特に、小型SiP(システムインパッケージ)に主要回路を集積したパワーモジュールは、電源システムのプラグアンドプレイを実現することが可能となる。

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 Maxim Integrated Products(マキシム)は、電力効率が高い同期整流型DC-DCコンバータICと、このICを搭載した次世代パワーモジュールの事業を強化する。特に、パワーモジュールは電源システムのプラグアンドプレイを実現することができ、機器メーカーはタイムリーな製品投入が可能となる。

端子配置で互換性を実現

 マキシムは、「Himalaya」シリーズとして、同期整流型DC-DCコンバータIC(Himalaya IC)を2013年9月に発表した。このDC-DCコンバータICは、耐圧が最大60V、出力電流が最大3.5Aである。しかも、パルス幅変調(PWM)やパルス周波数変調(PFM)など複数の動作モードをサポートすることで、90%を超える高い電力効率を達成しているのが特長だ。他社同等製品に比べて、電力効率は8〜10ポイントも高いという。その分、冷却用ファンなどを取り付ける必要がなく、システムの小型化が可能となる。


Himalayaモジュールの製品群 (クリックで拡大) 出典:マキシム

 さらに同社は、Himalayaシリーズとして新たにパワーモジュール製品(Himalaya モジュール)を追加した。高効率のHimalaya ICをベースとして、必要な周辺部品を小型のSiP(システムインパッケージ)に集積した。電源システムの設計に柔軟性を持たせるため、端子配置の互換性なども実現している。Himalaya モジュールを用いることで、機器メーカーは電源回路の設計をより簡素化することができるため、システムの試作/量産立ち上げを迅速に行うことが可能となる。システム量産時など、必要に応じてHimalaya ICに切り替えることも容易だという。

 Himalaya モジュール製品は、すでに9製品を量産出荷している。耐圧で最大60V、42V、5Vの3ファミリがある。出力電流は60Vと42Vファミリに、それぞれ1.7A/2.5A/3.5Aの製品を用意した。5Vファミリには4A/5A/6Aの3製品がある。パッケージの外形寸法は、5Vファミリが6.5×10mmで、42Vと60Vファミリはいずれも9×15mmである。厚みは全て2.8mmに抑えている。


Himalayaモジュールのパッケージサイズ (クリックで拡大) 出典:マキシム

 モジュールの外形寸法を標準化し、端子配置で互換性を実現しているのも特長の1つだ。例えば、システム設計の初期段階でパワーモジュールの出力電流仕様は1.5Aと想定していたものが、システム設計終了段階では1.8Aや2.0Aに変更となる可能性もある。この場合、当初とは仕様の異なるパワーモジュールに置き換えなければならないが、同じ製品ファミリでも端子互換が確保されていないと、実装基板の設計変更が生じることもあるという。Himalaya モジュール製品は、端子配置に互換性がありこのような課題を解決した。

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