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低価格のUSBベースでVNA市場に参入、Tektronixボックス型より価格4割安く(1/2 ページ)

Tektronixは2017年5月、ベクトルネットワークアナライザー(VNA)の第1弾製品「TTR500シリーズ」を発売し、VNA市場に参入した。低価格、小型で、誰でも使いやすいをコンセプトに、USB経由でPCと接続して使用するUSBベースのVNAとした。

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性能妥協せず、低価格、小型を追求したベクトルネットワークアナライザー

 低価格、小型で誰でも使えるベクトルネットワークアナライザー(VNA)だが、性能も妥協せず、従来のボックス型VNAと同等の性能を備えた。Tektronixの日本法人・テクトロニクスは、2017年5月9日に発表したVNA「TTR500シリーズ」の特長をこのように説明する。TektronixがVNAを製品化したのは、このTTR500シリーズが初めてだ。


USBベースのベクトルネットワークアナライザー(VNA)「TTR500シリーズ」 (クリックで拡大)

 VNAは、RFデバイスやRF回路のインピーダンスなどの高周波特性を測定する計測器で、ボックス型のVNAが主流だ。そうした中で、新規参入のTektronixは、USB経由でPCと接続して測定を行うUSBベースでの製品化に踏み切った。

IoTデバイス開発現場などに向けて

 「IoTデバイスなど無線機能を搭載した機器の開発が活発になっている。一方で、そうした無線対応機器開発現場では、RF技術を理解したエンジニアの不足が生じている。同時に、無線対応機器開発の数が増えているため、RFテストに投入できるコストも削減する必要性が生じている。これらの課題を解決するために開発した」(テクトロニクス最高技術責任者 瀬賀幸一氏)とUSBベースのTTR500シリーズを製品化した理由を説明する。


ベクトルネットワークアナライザー「TTR500シリーズ」の主な特長 (クリックで拡大) 出典:テクトロニクス

 TTR500シリーズの価格は、100kHz〜3GHz対応品(型番:TTR503A)で118万円(税別)、100kHz〜6GHz対応品(型番:TTR506A)で163万円(同)。「従来のボックス型VNAに比べ、40%ほど安い」(テクトロニクス)という価格を実現した。サイズについても「新たに無線機能を搭載するような機器の開発現場で、RFテストに割ける作業スペースは限られている」とし、206.4×285.8×44.5mmサイズ、重量1.59kgとボックス型に比べて大幅に小型、軽量化した。

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