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Intel、3Dメモリの生産拡大に向け設備投資を増加前年比20%の120億ドルに

Intelが、3D(3次元) NAND型フラッシュメモリや「3D XPoint」メモリの生産拡大に向け、設備投資を増加する。Intelの不揮発メモリソリューショングループは、最も規模が小さい事業部門でありながら、売上高では高い成長率を記録している。

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3D NANDの生産拡大に向け増資

 Intelは、半導体市場が好調を維持する中、2017年度の売上高予測をわずかに上方修正した。PCの価格が、わずかながら上昇していることを受けたためだという。また、3D(3次元) NAND型フラッシュメモリと、Micron Technologyと共同開発している「3D XPoint」メモリの生産拡大に向け、2017年の設備投資費を120億米ドルに増額し、2018年も同程度の投資額を見込んでいるという。

 同社の2017年第1四半期(4月1日を末日とする)における売上高は、前年比8%増となる148億米ドルで、利益は同45%増となる30億米ドルだったという。同社の中で最も規模が大きい事業部門であるクライアントコンピューティンググループの同四半期売上高は、PCの価格が7%上昇したことを受け、前年比6%増となる80億米ドルだった。また、データセンターグループは、1桁台後半の売上高成長を見込んでいたが、実際には6%の増加にとどまった。2017年夏に新しいサーバ向けCPUの発表を控えていることから、販売数量がわずかに減少したためだとみられる。

 Intelの中では最も規模が小さい事業部門でありながら、今回一番高い成長率を記録したのが、不揮発メモリソリューショングループだ。成長率55%で、8億6600万米ドルの売上高を上げている。その後に、旧Alteraを母体とするプログラマブルソリューショングループが続き、前年比18%増となる4億2500万米ドルの売上高を達成している。また、新設されたIoT(モノのインターネット)グループは、11%増となる7億2100万米ドルだった。


Intelの2017年第1四半期の業績(クリックで拡大) 出典:Intel

 Intelは全体的に見て、基盤の拡大に向けて緩やかな移行を進めながら、順調な成長を遂げているようだ。同社は今回、2017年通年の売上高予測を5億米ドル引き上げ、過去最高となる600億米ドルを見込むとしている。

 さらに、2017年の設備投資費として、前年比20%増となる120億米ドルを見込んでいる。

 同社のCEOであるBrian Krzanich氏は、アナリストとのカンファレンスコールの中で、「今回の設備投資費の増額は、異例の措置だといえるが、今後メモリ工場の建設を予定しているため、2018年も引き続き増額する必要があるとみている。ただし、こうした傾向が、2019年以降も続くことはないだろう」と述べている。

 Krzanich氏は、この発言の中の「メモリ工場」が、3D NANDフラッシュの生産を加速させている中国・大連の工場のことなのか、それとも、3D XPointを製造している米国ユタ州レヒ(Lehi)の工場のことなのかは明言しなかった。IntelのCFO(最高財務責任者)であるBob Swan氏は、「当社は2017年に、メモリ関連の設備投資費として、25億米ドルを投じる予定だ」と述べている。

 Intelの不揮発メモリソリューショングループは、売上高では成長したが、2017年第1四半期に1億2900万米ドルの損失を計上している。2017年末までには、3D NANDフラッシュの生産が拡大して利益を出せるようになる見込みであることから、2017年後半には損益分岐点に達し、2018年には利益を確保できるようになる予定だという。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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