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この10年で起こったこと、次の10年で起こること(18):

ニッポンのお家芸“カメラ”にも押し寄せるスマホ用チップセットの波 (1/3)

リコーの360度全天カメラ「THETA」を取り上げる。2017年9月15日に発売されたばかりの最新モデル「RICOH THETA V」と従来モデルを比較していくと、外観にはさほど違いがないにも関わらず、内部には大きな変化が生じていたのだった――。

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2017年9月発売の360度全天カメラ「RICOH THETA V」


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 2017年9月15日、リコーから360度全天カメラ「RICOH THETA V」(以下、THETA V)が発売になった。THETAは前後にカメラを持ち合成された全天画像を得られることから、ヒット商品となり、その後の多くの製品の先駆けとなった。Samsung Electronicsの「Gear 360」やスマートフォンの端子に接続して360度画像を撮影できる「INSTA-ONE」(ハフスコ)などが現在は話題に上ることが多い。また単眼カメラに広角レンズを組み合わせた全天カメラは、新興メーカー、中国メーカーなどからも続々と生み出されている。そのような全天カメラのブームの先駆者の1つが「THETA」だ。最初の製品は2013年に製品化され、2017年に発売になったTHETA Vは5代目になる。

 図1は2015年モデルの3代目「THETA S」(2016年には廉価版「THETA SC」が発売されている)と5代目THETA Vの外観および動画性能差である。


図1:2017年9月に発売された全天360度カメラ「THETA V」(右)。左側は、2015年(THETA3代目)モデルの「THETA S」 (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 360度データをTHETA Vでは4K動画を記録できるように大幅な進化を遂げている。また従来はWi-Fiだけであった通信機能にBluetoothも加わり、新たにマイクロフォン端子も備わっている。基本的な外観はキープコンセプト。握りやすい形状で操作ボタンの位置なども大きく変わっていない。製品のバージョンは外観だけで見分けがつかない。THETA Vの側面に製品名の記載があることが唯一の外観差というほどに、酷似したものになっている。初代から手持ちで手軽に全天撮影ができるという完成されたデザインを持っていたからだろう。

搭載増えるセンサー

 仕様面でも見えないところに多くのセンサーがTHETA SからTHETA Vで追加されている。3軸加速度センサーだけのTHETA Sから、THETA Vには3軸角速度センサーが加わり水平検出の補正処理性能が向上している。さらに本体内部に4基のMEMSマイクロフォン(上部に2基、本体中心2基)が装備され、4チャンネル空間音声処理が加わった。

 最新の小型ガジェットやカメラなどにはマイクロフォンの搭載個数が増え続けている。ワイヤレスヘッドフォンの最上位機種の1つAppleの「Air Pods」では片耳に2個のMEMSマイクロフォン、Samsungの「Gear IconX」では片耳に4個のMEMSマイクロフォンを有す。こうしたマイクロフォンは、空間音声処理、鼓動データの取得、周囲の騒音を収集してノイズ削減、エコーキャンセラーなどさまざまな用途に用いられている。THETA Vには方向の異なる配置で4基のマイクロフォンがあることから、ユニークな用途が生まれるのではなかろうか。

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