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においを“デジタル化”してAIで判定するシステムさまざまな分野に応用可能

NECは、「Embedded Technology 2017(ET2017)/IoT Technology 2017」で、さまざまなにおい成分を、異種混合学習技術を使って判別するプラットフォームを参考展示した。

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においを“デジタル化”する

 NECは、「Embedded Technology 2017(ET2017)/IoT Technology 2017」(2017年11月15〜17日、パシフィコ横浜)で、さまざまなにおい成分を判別する「嗅覚IoT(モノのインターネット)プラットフォーム」を参考展示した。

 嗅覚IoTプラットフォームは、においセンサーで取得したデータをクラウドにアップし、NECの異種混合学習技術を使った判別エンジンによって、におい成分を判定するもの。

 においセンサーには、物質・材料研究機構(NIMS)の吉川元起グループリーダーらが開発したセンサー素子「MSS(Membrane-type Surface stress Sensor/膜型表面応力センサー)」を使う。MSSでは、素子の中央部に塗布した感応膜にガス分子が吸着すると、膜が収縮して電気抵抗が変化する。その変化のパターンは分子によって異なるため、どのパターンがどの分子か、というデータをクラウドに蓄積していけば、判別エンジンが学習して、においを判定できるようになるという仕組みだ。

左=「MSS」の原理/中央=MSSの電子顕微鏡写真。盛り上がっている突起のように見えるものが感応膜/右=MSSを搭載したにおいセンサーのプロトタイプ(クリックで拡大)

 応用分野としては、ヘルスケア、食品、環境、安全およびセキュリティなどが挙げられる。具体的には、

  • ヘルスケア:呼気や体臭による体調管理
  • 食品:においによる果実の熟成度の判別、家畜の体調管理
  • 環境:ホルムアルデヒドなどの検出
  • 安全/セキュリティ:設備のヘルスモニタリング

など、さまざまな分野に応用できるとしている。NECの説明員は「におい成分は約40万種あるといわれている。コーヒーだけでも500種類、人間の呼気に含まれているものは1000種類あるそうだ。それにもかかわらず、においのセンシングは、五感の中で最も未開拓の分野になっている。嗅覚IoTプラットフォームでは、学習モデルを取り換えることで、さまざまな分野におけるにおい成分を判別エンジンに学習させることができるので、より簡単ににおい成分を判定するシステムを実現できるだろう」と述べた。

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