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メーターとIVIのディスプレイ共有、1つのSoCで可能にルネサス「R-Car H3」と仮想化技術で

ルネサス エレクトロニクスとドイツOpenSynergy(オープンシナジー)が提供するSoCと仮想化技術が、パロット・フォルシア・オートモーティブ製のセーフマルチディスプレイコックピットに採用された。搭載された自動車は2019年より生産される。

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柔軟で多様なコックピットシステムを実現

 ルネサス エレクトロニクスとドイツOpenSynergy(オープンシナジー)は2018年9月、両者が提供するSoC(System on Chip)と仮想化技術が、フランスParrot Faurecia Automotive(パロット・フォルシア・オートモーティブ)製のセーフマルチディスプレイコックピットに採用されたと発表した。同コックピットは欧州メーカーの自動車に搭載され、2019年より生産される予定だ。

 セーフマルチディスプレイコックピットに採用されたのは、ルネサス製の車載向けSoC「R-Car H3」と、オープンシナジー製のハイパーバイザー「COQOS Hypervisor SDK」。R-Car H3で動作するCOQOS HypervisorゲストOSには、Androidの最新バージョンを搭載した。

 COQOS Hypervisor SDKは、R-Car H3のGPUをAndroidとLinuxで共有化することができる。例えば、AndroidベースのIVI(車載インフォテインメント)と、Linuxベースのインスツルメントクラスタ機能を同時に実行させることが可能である。このため柔軟で多様なコックピットシステムを実現することができるという。


R-Car H3とCOQOS Hypervisor SDKを組み合わせたセーフマルチディスプレイコックピットのシステム構成イメージ 出典:ルネサス

 R-Car H3に内蔵されたGPUやビデオ/オーディオ用IPは、仮想化機能が搭載されている。このため、ハイパーバイザーによる仮想化が可能で、複数OSを完全に独立して動作させることができる。一方、COQOS Hypervisor SDKもAndroidやLinuxといったOSに加え、リアルタイムOSやAUTOSAR準拠のソフトウェアを1つのSoCで同時に実行させることができる。この時、安全に関する情報表示を最優先させるため、スクリーンマネジャーで、インスツルメントクラスタ内の画面管理を行う。また、CANゲートウェイにも対応しており、車載ネットワークへの接続も容易である。

 R-Car H3とCOQOS Hypervisor SDKを用いて開発されたパロット・フォルシア・オートモーティブ製のコックピットシステムは、インスツルメントクラスタ機能をLinuxベースで実行している。しかし、Linuxは車載電子システムの安全性要求レベル「ASIL」を独自で対応しないため、オープンシナジーは「Safe IC Guard」を開発した。同機能により、ゲストOSが独立して動作し、OSの安全に関わる情報が正しく表示されているかどうかを検証することができるという。

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