450mmウエハー、EUV、TSV、半導体製造の最新技術は実用化のめども立たず

450mmウエハーと極端紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet)リソグラフィ技術は、半導体の量産と微細化を進める上でカギとなる技術だ。しかし、米国の市場調査会社であるIC Insights社によると、これらの技術の開発は遅れており、実用化のめども立っていないという。
複数のアナリストが、450mmウエハーへの移行は「2015~2016年まで遅れる」と予測している。当初の予測よりも2年以上遅れることになる。EUV技術も、16nm製造技術での実用化は間に合わず、2015年に各社が導入すると見られる13nm製造技術での実用化を目指すことになるという。
このほか、半導体製造で期待される新技術として、3次元に積層したSi(シリコン)ダイをビア・ホールによって相互に接続するSi貫通電極(TSV:Through Silicon Via)技術が挙げられる。しかし、IC Insights社でアナリストを務めるTrevor Yancey氏は「TSV技術は誇大宣伝されている部分が大きく、実際の研究開発はまだ初期の段階にすぎない。実用化には基板や試験、コストなどさまざまな課題が残っている」という。450mmウエハーやEUVと同様、TSV技術の実用化も遅れているわけだ。
450mmウエハーとEUV、TSVは、ムーアの法則を維持させる手段として期待を集めているが、実用化に向けた開発は期待どおりに進んでいるとは言えない。
450mmウエハーへの移行が先送りになったことは、特に驚くことではない。IC Insights社のプレジデントであるBill McClean氏は「450mmウエハーの導入遅れは、不況の影響によるものだ」と解説している。
米Intel社と台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)社、韓国Samsung Electronics社の3社は、2012年に450mmウエハーで試作品の製造を開始することを目標に開発を進めていたが、各社ともこれを延期している。2010年1月現在、各社は32nm製造技術で450mmウエハーを使う製造装置のプロトタイプを作り、22nm製造技術で450mmウエハーを使った試作品を製造することを計画している。
しかし、450mmウエハーへの移行には巨額の資金が必要だ。資金不足が原因で、結局は450mmウエハーへの移行は実現しないのではないかと見る関係者もいる。どの企業も、450nmウエハーへの移行に必要な資金のあてがないのが実情だ。
半導体関連の業界団体であるSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)が2010年1月10日~13日に開催した「ISS(Industry Strategy Symposium)2010」では、450mmウエハーへの移行は先送りになり、試作ラインの建設は15nm製造技術の時点まで延期になるのではないかという噂が流れていた。不況によって製造設備メーカーの経営状態が悪化していることも、450mmウエハーへの移行が遅れている要因の1つとなっているようだ。
Yancey氏は、「450mmウエハーへの移行は、2014年以降になる」と予測する。「より具体的に言えば、450mmウエハーを採用した半導体の量産開始は2015~2016年まで待たなければならない」(同氏)という。
同氏はまた、「各メーカーはEUV技術を適用した半導体の量産を、2013年に始めるという目標を立てているが、これも遅れるだろう。2013年には、半導体製造技術は16nm技術まで移行しているはずだが、16nm技術の登場にEUVは間に合わない」と予測する。EUV技術は第2世代の16nm製造技術で実用化されるという可能性もあるが、「それが実現する可能性は極めて低い」と同氏は見ている。
最後に同氏は「EUV技術は、2015年に13nm製造技術で実用化される可能性が高い」と予測する。ただし、実用化には、光源やフォトレジスト材料、マスク技術の向上などの課題が残る。
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