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「iPad」登場、笑う者と泣く者

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 米Apple社は2010年1月27日に、タブレット型コンピュータ「iPad」を発表した。この発表に対するアナリストの受け止め方はさまざまだ。マーケット・ウオッチャーは、iPadの製品化で笑う者がいる一方で、泣く者もいるだろうと指摘している。

笑う者

 Apple社。説明は必要ないだろう。英国の投資会社であるBarclays Capital社のアナリストであるBen Reitzes氏は、「Apple社は、iPadを2010年に490万台、2011年に870万台出荷するだろう」と予測する。

 Apple社ファンの財布。Barclays Capital社のアナリストであるTim Luke氏は、2010年1月27日に発行したレポートでiPadの価格について、「最も安価な機種で499米ドル、通信事業者に支払う料金が月額14.99米ドルからという数字は、大方の予想を下回っている」と述べた。

 米Qualcomm社。iPadの3G対応モデルは発売当初の3カ月間、米国の通信事業者であるAT&T社が独占的に提供することになっている。しかし、Luke氏によると、「Barclays社では、2010年6月までに米Verizon Wireless社もiPadの提供を始めるだろうと予想している」という。同氏は、「Apple社がAT&T社だけでなく、Verizon社からも機器の販売を始めるということは、無線通信用半導体業界のリーダーであるQualcomm社に有利に働くだろう。同社はApple社へ半導体の提供を始めて、この状況を作り出した」と指摘している。

 米Broadcom社と米Triquint Semiconductor社、米Skyworks Solutions社。「Barclays社の見方では、iPadの中身は『iPhone 3GS』とほぼ同じになるため、iPadの製品化はBroadcom社に有利に働く」とLuke氏は述べる。iPhone 3GSは、無線LANとBluetoothのトランシーバを統合したBroadcom社のチップを搭載しているからだ。同氏はまた、RF関連の部品では、Triquint社とSkyworks社が有利な立場に立つと予想する。両社はいずれもiPhone 3GSにおいて、独Infineon Technologies社のベースバンドICに必要な部品を提供している。

 韓国LG Display社と台湾Innolux Display社。米国の市場調査会社であるiSuppli社でプリンシパル・アナリストを務めるVinita Jakhanwal氏によると、「この2社は、iPadのIPS(In-Plane Switching)液晶ディスプレイの供給元である可能性が高い」という。そして同氏は、「先に挙げた2社だけでなく、Apple社はiPadのディスプレイを3社から調達するだろう。iPhoneなど、同社のほかの製品でも3社からディスプレイの供給を受けている」と付け加えた。

泣く者

 米Amazon社の「Kindle」。Apple社のCEOであるSteve Jobs氏は、iPadの発表の中でAmazon社のKindleを賞賛していたが、この電子ブック・リーダーにとってiPadは明らかな脅威である。著述家であり、米New Yorks Times紙のブロガーであるNick Bilton氏はiPadについて、「現時点において、読書を楽しむ人たちに向けたデバイス市場において最高の製品だ」と評価している。

 米Intel社と米Advanced Micro Devices(AMD)社。Luke氏は、「マイクロプロセッサ・ベンダーにとって、iPadは長期的な課題になりそうだ」と予測している。なぜならば、iPadはネットブック並みの価格でありながら、印象に残る特長と機能を備えているからだ。

 NAND型フラッシュ・メモリー・メーカー。「iPadの登場は、中長期的な視点で見れば、NAND型フラッシュ・メモリー・チップ市場を活性化させるだろう。しかし、iPadの発売は2010年3月後半。iPadを宣伝してもNAND型フラッシュ・メーカーの株価がすぐに上がるわけではない」とLuke氏は述べる。同氏によると、「iPadが内蔵するメモリの容量は16Gバイトと32Gバイト、64Gバイト。下位から中位の価格帯に合わせたものだ」という。

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