【ISSCC 2010】機器内の接続もワイヤレスへ、ソニーがミリ波で実現
ソニーはテレビ受像機などの電子機器内部のモジュールを無線で相互接続する「機器内高速ワイヤレス伝送技術」を開発したと発表した(図1)。半導体集積回路技術の国際学会「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference)」(2010年2月7日~11日、米カリフォルニア州サンフランシスコ)で詳細を発表する(講演番号23.1)。ソニーは近距離高速無線伝送技術の開発に注力しており、2010年1月にはTransferJet規格に対応した最初の製品を発売している。
今回の発表内容の特長は、機器と機器の間を接続するのではなく、機器の内部でモジュール間を接続する点にある。
ソニーによれば、機器内の配線を無線伝送に置き換えることで、配線数が減り、基板やICの小型化や低コスト化を進めやすいという。さらにモジュール同士を直接接続する必要がなくなるため、可動部が存在する場合やモジュールを着脱する際の信頼性が向上するという。
送信回路(左)と受信回路(右)の間隔は10数mm程度と近い。機器同士ではなく、機器の内部の接続に用いる。ビット誤り率(BER)は間隔が14mmの場合、10-11であるという。出典:ソニー
70mWで14mm離れたモジュールに伝送
今回の無線伝送では60GHz帯のミリ波を用いる。約1mmと小型のアンテナを用いた場合、14mm離れたモジュール同士を伝送速度11Gビット/秒で接続できるとした。消費電力は70mWと小さい。指向性の高いアンテナを組み込むと、最大伝送距離を50mmに伸ばせるとした。
40nmの製造技術を適用したCMOS上に送信回路と受信回路を集積し、CMOSダイ上の面積は1チャネル当たり0.13mm2。ソニーによれば大規模なシステムLSIに低コストで組み込むことも可能だという。
回路の小型化を実現するために、回路規模が大きくなりやすい従来のPLL(Phase Locked Loop)ではなく、注入検波方式を用いて同期検波を実行した。注入検波方式とは、図1の右にあるように受信した信号を発振器に入力することで、発振器を入力信号に同期させる方式を言う。
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