「Apple A4」プロセッサの開発メンバー、アップルを去る

米Apple(アップル)社の「iPad」は、自社開発のプロセッサ「Apple A4」を搭載していることで話題になったが、このプロセッサを開発したチームのメンバーの多くがすでに同社を去っていることが明らかになった。Apple社を後にしたメンバーは、新会社を設立した。
Apple社は2008年4月に、米P.A.Semi社を2億7800万米ドルで買収した。この買収劇は、Apple社の半導体市場への参入の意向をはっきりさせ、世間を驚かせた(参考記事:アップル社が半導体市場に参入、P.A.Semi社を買収)。
P.A.Semi社は2003年に半導体業界のベテランが集まってできた企業だ。同社の共同設立者であり、CEOを務めていたDan Dobberpuhl氏は、米Digital Equipment社(DEC)で「Dec Alpha」や「StrongARM」などのプロセッサ開発に携わったことで有名だ。同氏はDECを去った後、米SiByte社を創業し、業界初のマルチコアSoC(System-on-chip)を世に送り出した。Sibyte社はその後、米Broadcom社に買収されている。
P.A.Semi社で働いていたエンジニアたちは、Apple社の買収によって同社のメンバーとなった。しかし、米New York Times紙によると、そのうちの多くが最近Apple社を離れ、新たに「Agnilux」という名の会社を設立していたことが明らかになった。この新会社は、米国カリフォルニア州サンノゼを拠点としており、サーバー向けプロセッサの開発に取り組んでいる。そして、米Cisco Systems社とのつながりがあるという。Agnilux社についてはあまり情報がないが、社名がサンスクリット語の「agni(火)」とラテン語の「lux(光)」を組み合わせたものであるということは明らかになっている。
Agnilux社でシステム・アーキテクト兼COOを務めるMark Hayter氏は、2008年6月から2008年12月までApple社でディレクタだった。P.A. Semi社時代は、システム・アーキテクトとハードウエア担当バイス・プレジデントを務めていた。SiByte社がBroadcom社に買収されるまでは、SiByte社のプリンシパル・システム・アーキテクトを務めていた。
Dobberpuhl氏とともにP.A. Semi社の設立に携わったAmarjit Gill氏は、P.A.Semi社で販売と事業開発を担当するバイス・プレジデントを務めていた。そのGill氏は、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの「LinkedIn」で自身を「Agnilux社の創設者」と紹介している。
Apple社のA4プロセッサ開発チームは、ARM社からライセンスを得て、プロセッサの電力効率を高め、電池駆動時間を延ばしたと言われている。Agnilux社の開発チームは同じように、Cisco Systems社のためにマルチコアのARMプロセッサを開発し、サーバーの消費電力を削減できると期待されている。
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