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ワイヤレス送電第二幕、「共鳴型」が本命かワイヤレス給電技術 共鳴方式(1/9 ページ)

電源ケーブルを使わずに電力を送る「ワイヤレス送電技術」に大きな技術進展があった。数mの距離を高効率で電力伝送できる可能性を秘めた「共鳴(Resonance)方式」の登場だ。

» 2009年10月05日 00時00分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 電源ケーブルを使わずに電力を送る「ワイヤレス送電技術」に大きな技術進展があった。数mの距離を高効率で電力伝送できる可能性を秘めた「共鳴(Resonance)方式」の登場だ。

 ワイヤレス送電技術そのものはすでに実用化されていたものの、従来方式には課題があった。例えば、「電磁誘導方式」では、高効率で電力を伝送しようとすると送電側と受電側を近接させたり、相対位置をきっちりと合わせたりする必要があった。マイクロ波帯の電磁波を使った方式では、数kmといった長い距離を伝送できるものの、民生分野に使おうとすると伝送効率が低くなってしまう。このような理由からこれまでの方式は、限られた用途で実用化されるにとどまっていた。

 数mの距離を高効率で電力伝送できれば、ワイヤレス送電技術の利用シーンは大きく広がる。例えば、意識しなくても携帯電話機を充電できたり、電気自動車を駐車場に止めておくだけで自動的に充電作業が完了したりといったことも夢ではなくなる。電源ケーブルの接続や充電作業を意識しない世界の実現へ。ワイヤレス送電の普及に向けた新たな幕が上がろうとしている。

 第1部では現在の市場動向を紹介し、第2部では共鳴方式を採用したワイヤレス送電技術の原理や課題を詳しく説明する。第3部では、これまで実用化されてきた電磁誘導方式の現在の開発動向を紹介する。

第1部 市場動向 意識させずに充電可能に

第2部 中距離送電技術 温故知新の「共鳴方式」

第3部 近距離送電技術 電磁誘導方式でも自由に

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