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次世代の無線LANとなることを目指すWiGig、Wi-Fi Allianceに接近無線通信技術 ミリ波(3/3 ページ)

» 2010年07月14日 00時00分 公開
[Rick Merritt,EE Times]
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活動のペースを速めるWiGigグループ

 WiGigグループは活動のペースを速めようとしている。WiGigグループは2010年12月に独自の認証と相互運用性評価のグループを作り、2010年内に、機器ベンダーが社内で実行できる一連のテストを作成する計画である。「われわれは、Wi-Fi Allianceとこのテストを共有することで、従来は最初からやらなければならなかった多くの作業を提供できるだろう」とSadri氏は語った。

 Wi-Fi Allianceは、いくつかの規格団体の中でも、WiGigを公式の規格とするためにWiGigが頼ることのできる、唯一のグループだ。またWi-Fi Allianceは、60GHz帯を使ってHDMIとDisplayPort信号を伝送するための規格を開発しようとしており、これらのアプリケーション用の製品を認証するように関係する規格グループに依頼している。

 今のところIEEE 802.11adグループはすべての提案を受け入れるための準備を進めている。同グループは3月の会議で、6つのグループによる新しい技術のプレゼンテーションを聴いている。6つのグループには個人も入る。そして、WiGigではなくWirelessHDグループに属するソニーを含む。

 2008年には、60GHz帯用として802.11に取り組む支持者たちが、WirelessHDの基礎である802.15.3cで60GHz帯を規格化しようとするもう一方のグループと激しく衝突した。この2つの規格については意見が合致することはなく、現在、市場は分断している。

 WirelessHDグループは、既存の家電メーカーのメンバーのニーズに焦点を合わせてWiGigが供給する製品に先を越されることはない、と断言している。WirelessHDグループが発表したバージョン1.1は、アプリケーション層でデータ転送速度が10Gビット/秒に達し、理論上の最大データ転送速度である28Gビット/秒に対応できるとWirelessHDの議長であるJohn Marshall氏は述べている。

 「画素数が4K2Kの動画や、リフレッシュレートが480Hzの動画、多くの色を使った動画の非圧縮映像ストリームなどを扱う場合、WirelessHD 1.1なら実現可能だが、そのほかの2.4GHz帯、5GHz帯、および60GHz帯の技術では非可逆圧縮を使わない限り映像の伝送ができない」とMarshall氏は述べている。WiGigの手法では、HDMI 1.4に対応するために必要な最小スループットの10Gビット/秒に達することはできないだろう。とMarshall氏は付け加えた。

 一方でWiGigグループは、米Cisco Systems社や韓国Samsung Electronics社など4社が新たにグループに加わったと発表した。またWiGigは、導入プログラムを正式に公開した。プログラムの入手には5000米ドルかかるが、非公開の契約の下で少なくともすでに10社がロイヤルティフリーの仕様を入手する契約を交わしている。  少なくとも、PCと家電の3大OEMである米Apple社、米Hewlett-Packard社、ソニーはWiGigの取り組みにこれまでのところ参画していない。

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