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VLSI Research社、半導体チップと半導体製造装置の市場予測を上方修正ビジネスニュース 市場予測

» 2010年08月26日 15時13分 公開
[Mark LaPedus,EE Times]

 エレクトロニクス関連製品の売り上げが伸び悩む中、米国の市場調査会社であるVLSI Research社は、半導体チップと半導体製造装置の2010年の市場予測を上方修正した。

 現在、半導体メーカーの業績に大きな影響を与える携帯電話機や液晶ディスプレイ、LED照明、PCなどの製品分野では、市場の状況が急激に悪化している。しかも、半導体チップの在庫は増えている。

 それでも、VLSI Research社は、2010年の半導体チップ市場の成長率を「6月と7月の売上高が予想を上回ったため」として、33.7%に上方修正した。修正前の成長率は30%だった。さらに今回の同社の予測では、半導体製造装置の売上高成長率を前回の予測である96%から、103%へと上方修正している。

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 同社によると、「2010年の半導体チップ出荷数量の成長率は、おおむね33%で推移してきた。一方、平均単価の上昇率は、2000年と2004年の好況期をはるかに下回り、わずか0.3%となる見込みだ」という。

 半導体製造装置市場は、景気成長期と後退期を複数年ごとに繰り返すサイクルになっており、現在の成長期は2011年まで続く。同社によると、「成長と後退のサイクルを考えれば、2010年の高成長の後には、歴史的な景気後退期がやって来ることになる。しかし、2010年の成長率は低い値であり、製造装置全体の売上高成長率が103%だとしても、この値は2007年のピーク時に比べて14%も下回る」という。

 同社は、半導体製造装置メーカーが次に迎える景気後退期は2012年だという。「直近の4回のサイクルのうち3回は、成長期が2年で後退期が2年という繰り返しだった。つまり、当社の予測では、次回の景気後退期は2013年ころまで続くことになる。そして2014年には再び好況期に転じる」と同社は見ている。

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