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アナリストレポート:太陽光発電に2度目の「ゴールドラッシュ」が到来へビジネスニュース アナリストレポート

» 2010年09月29日 14時16分 公開
[Rick Merritt,EE Times]

 金融アナリストによると、太陽電池パネルに向けた新たな政府補助金が、太陽光発電市場に2度目の「ゴールドラッシュ」を引き起こす可能性があるという。

 太陽光発電に対して補助金の拠出の準備を進めているのは、カナダのほか、チェコ共和国、ドイツ、イタリア、フランス、イギリスなどの欧州諸国である。Barclays Capital Clean TechnologyのアナリストであるVishal Shah氏は、2010年9月24日に発表したレポートの中で、「今回の補助金の規模は、太陽光発電市場で2007年〜2010年に最初のゴールドラッシュを引き起こしたスペインやドイツの補助金を上回るものだ」と指摘している。

 Shah氏は同レポートの中で、「絶対値ベースで、2011年には多くの市場において従来よりも多くの補助金が拠出されると期待できる。当社は、(今回の)第2の成長期には、低価格品に対する需要が供給を上回ると予測している」と述べている。

図

 今回の補助金の具体的な金額は、チェコ共和国では1W当たり7.85米ドル、カナダでは1W当たり10.28米ドルとなる。これらの額は、最初のゴールドラッシュの際に拠出されたスペインの1W当たり7.36米ドル、ドイツの1W当たり4.56米ドルを大きく上回る。

 Barclays Capitalは、太陽光発電業界において最も高い利益率を得るのはポリシリコン(多結晶Si)メーカーであり、その利益率は約20%に達すると予測する。続いて、太陽電池ウエハーや太陽電池セルのメーカーの利益率が約15%、モジュールメーカーと設置業者の利益率が約10%である。

 Shah氏によると、欧州において太陽電池パネルの需要が非常に高まっているため、米国では設置業者の大半がパネルを入手できずにいると述べる。さらに同氏によると、欧州の設置業者数社が2011年に米国市場に参入する予定であり、すでに40MW〜50MWの売り上げに相当するプロジェクトを進めているという。

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