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Wi-Fiの次世代規格は1Gビット/秒超、「IEEE 802.11a/n」の後継決まる無線通信技術 Wi-Fi

Wi-Fi Allianceは、無線LAN規格の最新版「IEEE 802.11n」の後継規格として、5GHz帯を使う「IEEE 802.11ac」を採用する方針を明らかにした。

» 2010年11月22日 00時00分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 Wi-Fi Allianceは、無線LAN規格の最新版「IEEE 802.11n」の後継規格として、5GHz帯を使う「IEEE 802.11ac」を採用する方針を明らかにした。

 Wi-Fi Allianceは、「IEEE 802.11a/b/g/n」といった無線LAN規格の認証プログラムの策定や、普及促進に取り組む業界団体である。2010年11月に開催された報道機関向け事業説明会に登壇した同AllianceのMarketing Directorを務めるKelly Davis-Felner氏(図1)は、「IEEE 802.11acは、IEEE 802.11nとIEEE 802.11aの後継規格と位置付けている」と述べた。

図 図1 Wi-Fi AllianceのMarketing Directorを務めるKelly Davis-Felner氏

 現在、IEEE 802.11委員会のWG(Working Group)が、IEEE 802.11ac規格のドラフト版の策定を進めており、2012年末には規格の策定作業がすべて完了する見通しである。IEEE 802.11ac規格は、利用するチャネル幅を広げるなどの方法で、1Gビット/秒を超えるデータ伝送速度を実現する。

 Wi-Fi Allianceが認証プログラムの策定作業を開始する時期については、「IEEE 802.11ac規格の策定作業の進ちょくに依存する」(同氏)とだけ説明した。

60GHz帯も共存関係に

 無線LAN規格の高速化技術としては、上に述べたIEEE 802.11ac規格のほかに「Wireless Gigabit(WiGig) Alliance」が策定を進める規格が、すでに候補に挙がっている。

 WiGig Allianceは、60GHz帯を使った無線通信規格の策定を手掛ける業界団体である。Wi-Fi AllianceとWiGig Allianceは、60GHz帯を使った無線通信規格の認証プログラムの策定作業を、相互に協力して進めることを2010年5月に発表していた。

 Felner氏は、IEEE 802.11ac規格とWiGig規格の関係について、「相互に補完し、共存する技術だ」と説明した。IEEE 802.11acの主な用途は、数十mといった比較的広い範囲で無線ネットワークを構成すること。これに対してWiGig規格の主な用途は、1つの部屋内において、さまざまな電子機器間を接続するケーブルを無線で置き換えることである。「2012年前半には、WiGig AllianceとWi-Fi Allianceが協力して作成した認証プログラムに承認された最終製品が、市場に登場する見込みだ」(同氏)という。

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