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アップルが「iPad 2」を発表、療養中のJobs氏も登場ビジネスニュース タブレット

アップルは2011年3月2日にタブレット型コンピュータ「iPad」の第2世代機「iPad 2」を発表した。

» 2011年03月03日 20時59分 公開
[Dylan McGrath,EE Times]

 アップルは2011年3月2日(米国時間)に開催したプレス発表会で、タブレット型コンピュータ「iPad」の第2世代機「iPad 2」を発表した。会場には、同社CEOで、現在病気療養中のSteve Jobs氏も姿を見せた。

 アップルによると、iPad 2は、デュアルコアプロセッサ「Apple A5」を搭載し、現行機のiPadに比べてCPU性能は最大2倍、画像処理速度は最大9倍に向上したという。A5は、iPadに搭載されたA4プロセッサの後継品である。

 iPad 2では筐体のデザインも新しくなり、iPadと比べて33%も薄くなった他、重量も15%軽くなったと言う。ただし液晶ディスプレイについては、LEDバックライトを搭載した9.7インチ型で、iPadと変わらない。iPad 2の発売は、米国では2011年3月11日の予定である。

 今回のプレス発表には予想外にも、詳細不明の理由で2011年1月中旬から病気療養中のJobs氏が登壇。お決まりのスタイルで自らiPad 2を紹介し、会場の注目を集めた。Job氏は、iPad 2の性能がiPadと比べ劇的に向上したことや、実質的にiPhone 4よりも薄いことなどに言及。「われわれは、グラフィックス性能の向上に全力を尽くした」と付け加えた。

 初代のiPadはカメラ機能を備えておらず、その点で批判を受けたアップルだったが、iPad 2では前面と背面に1つずつ、合計2個のカメラを搭載した。前面のカメラは画素数が640×480で、最大30フレーム/秒での動画撮影が可能である。背面のカメラは、720pでHDビデオを撮影できる。

 iPad 2のバッテリ駆動時間はiPadと同等の最大10時間。筐体のカラーは白と黒の2種類を用意した。米国ではAT&TとVerizon Wirelessの携帯電話ネットワークに対応するという。

 Jobs氏は、「他のメーカーは初代iPadの模倣を急いでいるが、その間にわれわれはiPad 2を投入する。これによりアップルは競合他社のさらに先を行くようになり、他社は製品開発をもう一度白紙に戻す羽目になるかもしれない」と述べた。

 アップルは初代iPadを13カ月前に発表し、その後1500万台以上を売り上げた。市場調査会社である米国のHIS iSuppliは、アップルは2011年もタブレット市場を独占し、市場シェアは70%に達すると予測する。一方でアップルは現在、サムスン電子やヒューレット・パッカード、リサーチ・イン・モーション(RIM)やモトローラ・モビリティなど、数多くの競合に直面している。このうちモトローラは先週、メディアタブレット「XOOM」を発売したが、この製品はiPadの「真の競合品」と見なされている。投資会社であるカナダのCanaccord Genuityで技術部門のアナリストを務めるMichael Walkley氏は2011年3月2日(現地時間)、iPad 2の機能や価格が、今後の競合製品の機能や価格帯に影響を及ぼす可能性があると指摘した。

 Walkley氏は、「競争の激化をよそに、アップルは急成長するタブレット市場で今後も圧倒的なシェアを持ち続けるだろう」と述べた。

 iPadの価格は初代iPadと同じだ。Wi-Fi版は記憶容量が16Gバイトのモデルが499米ドル、32Gバイトモデルが599米ドル、64Gバイトモデルが699米ドル。Wi-Fiと3G接続の両方に対応するモデルは、16Gバイトが629米ドル、32Gバイトが729米ドル、64Gバイトが829米ドル。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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