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フォトギャラリー:ISSCC 2011の注目技術(前編) 〜 目の動きを読み取るOLEDなどビジネスニュース フォトギャラリー

» 2011年03月04日 14時53分 公開
[Rick Merritt,EE Times]

 米国のサンフランシスコで2011年2月20日〜24日に開催された半導体回路技術の国際学会「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference) 2011」では、3000人近い半導体設計者が参加し、数々の革新的な技術を発表した。28のセッションで211件の論文が発表された他、2日間にわたるチュートリアルや連日のイブニングセッションが開催され、会場は今注目の技術に関する議論に沸いた。

 本稿では、ISSCC 2011におけるこれらの発表の中から、12の技術を写真とともに紹介する。写真のほとんどは、今回のISSCCから新たに設けられた実演イベント「Industrial Demo Session」で撮影したものである。2011年2月22日の午後に開かれたイベントでは、13本の論文の執筆者が集まり、発表成果を実際のアプリケーションに結び付けたデモを披露した。

 目の動きを読み取る有機ELディスプレイ

 ドイツの研究機関であるFraunhofer Instituteで事業部門のマネジャーを務めるUwe Vogel氏は、イメージセンサーの機能を併せ持つ有機EL(OLED)ディスプレイを披露した。320×240画素のディスプレイとして機能する他、ユーザーの目の動きを追うことができる。この目の動きは、カーソルやマウスのような働きをし、ユーザーはホストシステムにコマンドを送信することが可能だ。

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 AMDのZacateをHPがミニノートに採用

 AMD(Advanced Micro Devices)のシニアフェローであるDenis Foley氏は、x86プロセッサコアとグラフィックスコアを1チップに集積した同社初のFusionプロセッサ「Zacate」について発表した。すでに、Zacateを搭載したミニノートPC「DM1Z」をヒューレット・パッカード(HP)が約500米ドルの店頭価格で販売されている。

 Zacateは、AMDの新しい低消費電力プロセッサ「Bobcat」2個とグラフィックスコアを搭載しながらも、消費電力は最大でも18Wだという。同チップは、処理性能の観点で、インテルの「Atom」プロセッサと「Sandy Bridge」プロセッサの中間に位置する。ISSCC 2011ではインテルも、Zacateの競合プロセッサとなる「Sandy Bridge」について発表している。

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 家庭用ルータにWiMAXチップセットを搭載

 台湾の半導体メーカーであるMediaTek(メディアテック)は、WiMAXの「Wave 2」仕様に準拠する、家庭用ルータ向けチップセットを披露した。65nmプロセス技術で製造した。70Mビット/秒のデータ伝送が可能だという。

 今回はこのチップセットを小型スマートフォンほどの大きさのルータに組み込んで、HD映像信号をHDテレビに送信するデモを見せた。MIMO(Multiple Input Multiple Output)アンテナを利用し、総消費電力は1W程度だという。

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 サムスンがCMOSパワーアンプを披露

 Samsung Electro-Mechanics Americaの研究員であるWoonyun Kim氏は、CMOS技術で製造した4バンド対応パワーアンプを発表した。GSM/EDGE方式の携帯電話機に向ける。

 Kim氏によると、この用途のパワーアンプはこれまでは化合物半導体であるGaAs(ガリウム・ヒ素)技術で製造されており、CMOS技術で製造したのは今回が初めての成果だという。このCMOSパワーアンプは、約2カ月後に量産を開始する見込みだという。

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