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2010年の半導体市場ランキング、Broadcomが初のトップ10入りビジネスニュース 業界動向

2010年の半導体市場は、前年比3割増という大幅な成長を遂げた。Micron TechnologyやBroadcomが売り上げを大きく伸ばしている。

» 2011年04月26日 16時20分 公開
[Mark LaPedus,EE Times]

 米国の市場調査会社であるGartnerは、2010年の半導体市場ランキングを発表した。それによると、Broadcomの他、Micron Technologyやルネサス エレクトロニクスが新たにトップ10にランクインした。

 一方、Advanced Micro Devices(AMD)とInfineon Technologiesは、トップ10から姿を消した。

 2010年の世界半導体市場の売上高は、2009年から707億米ドル(30.9%)増となる2994億米ドルで、過去最大の伸びを記録した。

 Gartnerで主席アナリストを務めるピーター・ミドルトン(Peter Middleton)氏は、「世界的な経済不況の影響で停滞していた需要が回復したことと、不況によって激減していた半導体の在庫の拡充が図られたことで、半導体業界全体が上向きになり、不況による落ち込みから早期に回復した」と述べている。

 ランキングでは、Intelが市場シェア14.0%を確保し、前年の14.6%から若干のマイナスとなったものの、19年連続で首位を堅持した。

ALT 図1 2010年の半導体売り上げランキング 上位10社で世界シェアの5割以上を占める。左から2010年と2009年の順位、社名、2009年と2010年の売上高、売上高の成長率、市場シェアを示す。売上高の単位は百万米ドル。出典:Gartner

 2位のSamsung ElectronicsはDRAMとNAND型フラッシュメモリの売り上げを伸ばし、堅調に推移した。3位の東芝は、NAND型フラッシュメモリなどが好調だったことから、前年比28.7%増の売上高を記録した。

 Texas InstrumentsとSTMicroelectronicsはそれぞれ、4位と5位の座を保持した。2010年4月に旧ルネサス テクノロジと旧NECエレクトロニクスとの合併で設立されたルネサス エレクトロニクスは、6位にランクインした。

 7位はHynix Semiconductorで、Micron Technologyは2009年の13位から8位に浮上した。一方、Qualcommは携帯電話機向け半導体のシェア減少が影響し、6位から9位に後退した。

Broadcomの成長率は53%と高い

 10位にはBroadcomがランクインした。Gartnerのミドルトン氏は、「Broadcomの堅調ぶりから見て、これは当然の結果だ」と述べている。

 Broadcomは売上高で前年比53%増と他社を圧倒する成長を遂げ、順位を2つ上げて初のトップ10入りを果たした。同社は、ブロードバンド、モバイル/ワイヤレス、インフラ/ネットワーキングの3つの事業部門全てで好調だった。

 一方、2009年に9位だったAMDは13位に、Infineon Technologiesは10位から11位に、それぞれ順位を下げた。

独自指標でもBroadcomの強さが見える

 Gartnerは、同社独自の指標である「RIP(Relative Industry Performance)」を用いた評価も行っている。RIPは、業界全体の成長によって企業が享受した成長と、シェア拡大や新市場への参入、顧客の選択といった企業独自の事業戦略によってもたらされた成長を区別して評価する。

 RIPでは、上位25位にランキングされた半導体メーカーのうち数社が、予想を上回る業績を上げた。BroadcomとMarvell Technology Group、Samsung Electronics、NXP Semiconductorsの4社は、当初のRIP予測を10%以上上回る成長を遂げたという。一方、当初の予測を10%以上下回ったのは、ローム、ルネサス エレクトロニクス、NVIDIA、MediaTekの4社である。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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