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富士通セミコンダクター、EV/HEV向けモーター制御マイコン市場に参入プロセッサ/マイコン 電気自動車

富士通セミコンダクターは、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)の動力モータの制御機能を搭載した32ビットマイコン「MB91580シリーズ」を製品化した。

» 2011年04月27日 15時16分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 富士通セミコンダクターは、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)の動力モータの制御機能を搭載した32ビットマイコン「MB91580シリーズ」を製品化し、EV/HEV向けモーター制御マイコン市場に参入した(図1)。

 MB91580シリーズは、フラッシュメモリを搭載した32ビットマイコン製品群「FRファミリ」の拡充品。EV/HEVを対象に、3相モーター制御に必要な周辺回路を業界に先駆けて搭載した。

 具体的には、モーターの電流と軸回転角を高速かつ高精度に検出する12ビットのA-D変換回路とR/Dコンバータを搭載した。R/Dコンバータは、レゾルバセンサーの角度信号(アナログ)をデジタルデータに変換する。R/Dコンバータは、1ユニット。A-D変換回路は、8チャネルを1ユニットとして合計3ユニット搭載した。これらの回路に加え、R/Dコンバータが検出した電気角に対する正弦(sin)値と余弦(cos)値を自動的に演算する専用回路も搭載した。

図1 図1 EV/HEV向けモーター制御マイコンのロードマップ 今回製品化したMB91580シリーズは、2013〜2014年に市場投入される電気自動車やハイブリッド自動車を対象にしたもの。その後、2014〜2015年を対象にした「MB915XX」と2015〜2016年を対象にした「MB91XXX」の製品化を計画中である。さらにその先には、製造プロセスを進め、新しいCPUコアを採用したマイコンの開発も計画している。

 MB91580シリーズの動作周波数は128MHz、処理性能は160DMIPS。搭載した浮動小数点演算専用ユニット(FPU)を使って、ベクトル変換やPID制御を高速に演算できる。MB91580シリーズの内訳は、フラッシュメモリやRAMの記録容量が異なる3品種「MB91F585」と「MB91F586」「MB91F587」である(表1)。

品種名 メインフラッシュ容量 RAM容量
MB91F585 576Kバイト 48Kバイト
MB91F586 832Kバイト 64Kバイト
MB91F587 1088Kバイト 96Kバイト

 パッケージは、144端子のLQFP。要望があれば、サンプル品を提供できる。サンプル価格は2000円。2014年度に、3品種合計で、200万個の販売を見込む。

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