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「デジタルサイネージにこそ3D映像」、日商エレ子会社が裸眼3Dディスプレーを発売ディスプレー技術

エヌジーシーが販売を開始した裸眼3D(立体)ディスプレー「BDL5231v-3D2R」は、高輝度で広視野角ながら、低価格であることが特徴だ。

» 2011年05月23日 16時33分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 日商エレクトロニクス子会社のエヌジーシーは、高輝度で広視野角ながら、低価格であることを特徴とする裸眼3D(立体)ディスプレー「BDL5231v-3D2R」の販売を開始した(図1)。

 パネルサイズは52インチ型、視差数は28、輝度は700cd/cm2、コントラスト比は2000:1。推奨販売価格は170万円である。同社が従来提供してきた裸眼立体ディスプレー「42-3D6W」は、パネルサイズが42インチ型、視差数は9、輝度は500cd/cm2、コントラスト比は1500:1だった。

 「視差数や輝度、コントラストといったディスプレー性能の指標がそれぞれ向上したことで、迫力のある3D映像を屋外でも違和感なく見せられるようになった」(エヌジーシーの代表取締役社長の諏訪和由氏、図2)という。

図1 図1 エヌジーシーが販売を開始した裸眼3D(立体)ディスプレー「BDL5231v-3d2r」 パネル解像度は1920×1080、立体表示解像度は960×540。

 同社は、2006〜2009年の期間、裸眼3Dディスプレーの販売を手掛けてきたが、用途は大学や研究機関向けが70%を占め、デジタルサイネージ用途は30%と少なかったという。ただ最近になって、映画配信やデジタルテレビ、ゲーム機といったさまざまな用途で、3D映像が一般的になりつつあり、デジタルサイネージ用途にも3D映像が広く使われる下地が整ってきたと主張する。

 3D技術を採用した映画やゲームの広告映像の配信や、企業プロモーション映像の配信といった用途の他、科学技術計算表示用や産業用ディスプレーの市場に売り込む。

図2 図2 エヌジーシーの代表取締役社長の諏訪和由氏(写真左)と、同社ビジュアルソリューション事業部の事業部長である河村英之氏(写真右)

マルチレンチキュラー方式を採用

 エヌジーシーが販売を開始した裸眼3Dディスプレーの開発元は、オランダに本社を構えるDimenco Displayである。同じくオランダに拠点を置くRoyal Philips Electronicsの3Dディスプレー事業の技術者を中心に設立されたベンチャー企業だ。Royal Philips Electronicsのさまざまな特許ライセンスを受け、3Dディスプレー技術の研究開発を進めている。

 2D映像と奥行き映像データ(「Depth Map」と呼ぶ)を組み合わせた3D映像フォーマットを使うことや、視差分映像を作成するハードウェア技術、視差数を向上させるレンチキュラー技術(「マルチレンチキュラー」と呼ぶ)に、Dimenco Displayの独自性があるという。

 なおエヌジーシーは、2011年6月8〜10日の会期で開催される「デジタルサイネージジャパン2011」と、6月22〜24日の「3D&バーチャルリアリティ展」に、今回の裸眼立体ディスプレーを出品する。

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