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Appleが携帯電話機売上高で首位に躍進、2011年第1四半期ビジネスニュース 企業動向

市場調査会社であるStrategy Analyticsによれば、スマートフォンを含む携帯電話機全体の売上高において、AppleがNokiaを抜き去ったという。iPhoneの販売台数が多いというよりも、価格を高く維持できていることが要因だと分析した。Appleの出荷台数はNokiaの1/6にすぎないが、単価が7倍なので売上高が多くなる。

» 2011年05月26日 19時07分 公開
[Dylan McGrath,PR/EE Times]

 市場調査・コンサルティング会社である英国のStrategy Analyticsが発表した2011年第1四半期の携帯電話機売上高ランキングによると、iPhoneの記録的な売り上げを受け、AppleがフィンランドのNokiaを抜いて首位に躍り出た。

 Strategy Analyticsでシニアアナリストを務めるアレックス・スペクター(Alex Spektor)氏は、報告書の中で、「Appleは、2011年1月〜3月期のiPhoneの売上高で119億米ドルを記録し、携帯電話機の売上高で初めてNokiaを上回った。一方、同四半期のNokiaの売上高は94億米ドルだった」と述べている(図1)。

ALT 図1 AppleとNokiaの売上高比較 全世界における出荷台数(単位:100万台)と平均販売価格(ASP)、売上高(単位:10億ドル)をAppleとNokiaで比較した。2010年第1四半期と2011年第1四半期の数字を示した。出典:Strategy Analytics

「台数×価格」で勝ったApple

 スペクター氏は、PCメーカーであるAppleが携帯電話機市場に参入後、4年を待たずに売上高トップの座を獲得した要因として、「販売台数の多さと卸売価格の高さ」を挙げる。

 Strategy Analyticsでディレクタを務めるニール・マーストン(Neil Mawston)氏は、「Appleは、携帯電話機市場とスマートフォン市場、タブレット市場で世界最大の売上高を誇るメーカーとなった。同社は、ハードウェアとソフトウェア、サービスを融合した独自のエコシステムで幅広い人気と大きな収益を獲得している。一方、Android陣営など、ライバル陣営も懸命に後を追う。2011年末には、Androidを搭載したスマートフォンの世界売上高はiPhoneを上回るだろう」と述べている。

 Nokiaは2011年2月にスマートフォン事業でMicrosoftと提携し、「Windows Phone 7」を搭載したスマートフォンの開発に注力している。マーストン氏は、「同社は打倒Appleを2012年の目標に掲げ、追撃をしかけるだろう」と語る。

 Appleが発表した2011年1月〜3月期の業績は多くのアナリストの予想を上回るものだった。2011年1月〜3月期のiPhoneの販売台数は1865万台を記録した。Strategy Analyticsによると、2011年1月〜3月期のiPhoneの平均卸売価格は1台当たり638米ドルだったという。

 Appleは、2010年のスマートフォン売上高ランキングで第1位を獲得した。Strategy Analyticsは、「iPhoneの販売価格の29%が同社の利益となっていることが、Appleの首位獲得の要因とみられる。一方、2010年のスマートフォン全体の販売台数で言えば、同社のシェアは16%にすぎない」と解説している。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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