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TCXOながらOCXOに匹敵、日本電波が精度±0.1ppmの発振器発売水晶デバイス TCXO

日本電波工業は、TCXOながら、恒温槽付水晶発振器(OCXO)に匹敵する周波数安定度を実現した発振器を開発した。

» 2011年06月24日 18時32分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 日本電波工業は、フェムトセルや基幹系ネットワーク機器を対象にした温度補償型水晶発振器(TCXO)「NT7050BB」を発売した(図1)。

 特徴は、TCXOながら、恒温槽付水晶発振器(OCXO)に匹敵する周波数安定度を実現したことである。温度変動や電源電圧変動、24時間エージング変動を含んだ総合的な周波数変動幅は、±0.1ppm(±100ppb)と小さい。高精度の水晶振動子を開発するとともに、温度補償回路を改善することで実現した(図2)。

図 図1 フェムトセルや基幹系ネットワーク機器を対象にした温度補償型水晶発振器(TCXO)「NT7050BB」

 フェムトセル基地局は、小型であるとともに、既存の無線基地局と同様の高い精度が要求される。例えば、周波数安定度においては±100ppbという厳しい規格が求められている。同社によると、このようなフェムトセル基地局に組み込む水晶発振器には、高い周波数精度に加えて、OCXOよりも小型かつ消費電力が小さく、立ち上がり特性に優れた品種が求められていたという。そこで同社は、このような要望に応えることを目的に、NT7050BBを開発した。

 NT7050BBの外形寸法は、7.0×5.0×2.0mm。同社従来のOCXOの寸法は、恒温槽を搭載しているため、21×13×7.6mm程度と大きい。消費電力は、NT7050BBが20mWであるのに対し、同OCXOは1W以上になるという。

図 図2 NT7050BBの温度特性

 発振周波数は、19.2MHzまたは、26MHz。長期周波数安定度は、10年当たり最大±3ppmである。電源電圧は3.3V。動作温度範囲は−10〜70℃。サンプル提供を開始しており、2011年10月に量産を開始する予定である。

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