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富士通の半導体部門は震災被害の影響から脱却、今後の業績回復はクリスマス商戦次第かビジネスニュース 企業動向

富士通の2011年度(2012年3月期)第1四半期業績のうち、半導体部門の業績を示すデバイスソリューションセグメントのLSI製品の売上高は、前年同期比4.3%減の770億円となった。

» 2011年07月28日 19時33分 公開
[朴尚洙,EE Times Japan]

 富士通は2011年7月28日、2011年度(2012年3月期)第1四半期の決算を発表した。同社の半導体子会社である富士通セミコンダクターの業績を示す、デバイスソリューションセグメントのLSI製品の売上高は、前年同期比4.3%減の770億円となった。

 売上高減少の主な理由は、東日本大震災で被災した東北地方の5カ所の半導体工場が操業停止したことや、シリコンウェーハをはじめとする部材調達の滞りで生産量が減少したことによる。ただし、次世代スーパーコンピュータ「京」向けの売上げがあったほか、携帯電話機向けの売上げが増加したという。

 富士通が2011年6月に発表した2011年度の業績予想によると、デバイスソリューションセグメントのLSI製品の通期売上高予想は、前年度比1.1%減の3400億円。この通期売上高の落ち込みである37億円という数字は、第1四半期の落ち込みである34億円とほぼ同じである。第2四半期以降は、前年同期とほぼ同程度の売上高になることが予想されていることになる。

 富士通のCFO(最高財務責任者)で取締役執行役員専務を務める加藤和彦氏は、「第2四半期以降のLSI製品の業績予測では、震災被害による影響は織り込んでいない。現在、スマートフォン向け画像処理ICの需要は堅調だが、AV機器など民生用機器向けの需要が依然として弱含みだ。今後の業績回復は、クリスマス商戦の盛り上がり次第になりそうだ」と述べている。

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