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「全てのカテゴリにEVを投入する」――スポーツカーだけじゃないテスラモーターズの戦略【ITmedia Virtual EXPO 2011プレビュー】

「ITmedia Virtual EXPO 2011」の特別セッションで、EVベンチャーとして名高いテスラモーターズでアジア太平洋地域担当ディレクターを務めるケビン・ユー氏が講演を行う。同社が最初に市場投入した製品が、スポーツカーの「Roadster」であったことには大きな意味があった。

» 2011年09月21日 20時55分 公開
[EE Times Japan]

 2011年9月30日まで開催されている、バーチャルイベント「ITmedia Virtual EXPO 2011」。同イベントのスマートテクノロジーゾーンの特別セッションとして、シリコンバレー発の電気自動車(EV)ベンチャーとして知られるTesla Motors(テスラモーターズ)の講演が行われる。登壇するのは、アジア太平洋地域担当ディレクターのケビン・ユー氏(図1)である。ユー氏は、オンライン決済サービスPayPalの日本市場参入を手掛けたことなどで知られる。

 講演の中でユー氏は、同イベントのメインテーマである「転換期のITとモノづくり」を象徴するEVの市場導入を後押しする世界的なトレンドや、EVの開発と販売を積極的に推し進めるテスラモーターズの事業戦略について語っている。

図1 テスラモーターズのケビン・ユー氏 図1 テスラモーターズのケビン・ユー氏

2012年には高級セダンを投入

 中でも興味深いのが、テスラモーターズが初めて市場投入するEVとして、スポーツカーの「Roadster」を選択した理由についての説明である。

 Roadsterは、2人乗りのオープンカースタイルのスポーツカーだ)。最大出力が215kWの3相交流誘導モーターと、ノートPCなどに用いられる18650サイズ(直径18mm×長さ65mm)のリチウムイオン電池セルから構成される、容量56kWhの電池パックを搭載する。0マイル/h〜60マイル/h(0km/h〜97km/h)までの加速時間は3.7秒(図2)。この数字は、フェラーリやポルシェなどのガソリンエンジンを搭載するスポーツカーとほぼ同じレベルとなっている。

図2 テスラモーターズの「Roadster」 図2 テスラモーターズの「Roadster」 0km/h〜97km/hの加速時間が3.7秒のスポーツカーである。

 これらの内燃機関を搭載するスポーツカーの価格は2000万円以上になる。そして、走行時には大量にガソリンを消費する。一方、スポーツカーとして同じ加速性能を持つRoadsterの価格は約1200万円。もちろん、EVである以上、走行時に消費するのは、ガソリンではなく電池パックに蓄積した電力である。ユー氏は、「あるカテゴリにおいて、ガソリンエンジン車よりも高性能かつ低価格のEVを開発できることを実証するために開発したのが、スポーツカーのRoadsterなのだ。同じコンセプトの基、今後テスラモーターズは全てのカテゴリでEVを市場投入する方針だ」と述べている。

 実際に、Roadsterの次の製品として、高級セダンの「Model S」の市場投入が計画されている。同じカテゴリの内燃機関車となるのが、「BMW 5シリーズ」、「Audi A6」、「Mercedes Benz Sクラス」である。米国では2012年に、日本でも2013年初旬に販売を開始する予定だ。

 ご興味をも持たれた方はぜひ、ITmedia Virtual EXPO 2011登録(無料)していただき、ユー氏の講演に耳を傾けてほしい。

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