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» 2011年12月08日 10時00分 公開

水晶デバイス基礎講座:最終回 水晶ジャイロセンサーの動作原理と特徴 (2/3)

[宮澤輝久,セイコーエプソン]

 図4は、音叉型水晶振動子に対して、コリオリ力がどのように働くかを表しています。回転していない場合は、図4の左図のように軸に対して対称な屈曲運動をしています。これに対して、右図の矢印の軸回りに回転が発生すると、ねじれ振動のような動きが発生します。

 通常モードとは異なるこのねじれ振動の出力を測定することにより、角速度を算出するのです。内部の振動部に水晶素材を使用しているジャイロセンサーには、振動素子の形状が異なるさまざまなタイプがありますが、すべて前述の原理に基づいています。

図 図4 ジャイロセンサー素子にコリオリの力が発生したイメージ図

 水晶ジャイロセンサーを製品化するには、水晶を使ったセンサー素子の開発のみならず、水晶材料の微細加工技術、低消費電力のアナログ回路技術、高密度のパッケージング技術が求められます。現在、パッケージが5.0×3.2×1.3mmと小型の水晶ジャイロセンサーが製品化されています。

水晶デバイスを使うメリット

 ジャイロセンサーに、水晶を使う利点は幾つかあります。まず、水晶は単結晶であるため、特性の経時変化が少なく、品質のばらつきも抑えられます。次に、水晶の圧電性を利用した駆動/検出機構なので、構成がシンプルです。水晶は圧電体ですので電圧を印加するだけで振動させることができ、駆動インピーダンスを下げられます。最後に、水晶は熱膨張と弾性の温度変化が相殺するので、温度特性が良好です。この他、リソグラフィを使い、水晶材料を加工するため、加工精度を高められるという特徴もあります。

 圧電体を有する水晶材料に対して、シリコン材料は圧電性が無いので、電圧を印加しただけでは、振動させることができません。そこで、以下の3つの駆動方法が考案されています。

(1)圧電膜を取り付けて駆動

シリコンウエハーに圧電膜を形成する製造工程や、形成した圧電膜のエッチング工程が新たに必要です。

(2)くし形電極を取り付けて静電駆動

振動体のみならず、対向する固体側にもくし形構造が必要です。振動の振幅を確保しにくい点や、衝撃を受けたときにスティッキング(歯がかみ合ってしまう現象)が発生しやすいという欠点があります。

(3)磁石と振動体を組み合わせてローレンツ駆動

磁石を別途用意する必要があることや、振動体に比較的大きな電流を流す必要があることが欠点です。

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