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Wi-Fiの多様な用途を狙う、通信モジュールのeConaisが日本市場で活動開始無線通信技術 Wi-Fi

ギリシャに本社を構えるeConais(イコネス)は、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)やM2M、産業、医療、民生といった用途を対象にした無線LAN(Wi-Fi)モジュールの日本国内での販売活動を本格的に開始した。

» 2012年07月24日 14時53分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 無線LAN(Wi-Fi)モジュールを手掛けるeConais(イコネス)は、日本市場に参入し、国内での販売活動を本格的に開始した。同社が提供するのは、32ビットマイコンと無線LANチップを実装した通信モジュールと各種ソフトウェアライブラリである。現在、IEEE 802.11b/g/nに準拠し、実装面積が18.5×27.5mmの品種を「WiSmart」と名付けたブランドで販売している。数カ月ほど後には、これまでと同じ機能を搭載しつつ、モジュールの実装面積を15mm角に小型化した品種のサンプル出荷を始める予定である。

図 eConaisのSales Managerを務めるPeter Perlegos氏

産業、医療、FAにも用途拡大する無線LAN

 無線LANの用途は、ノートPCやPC周辺機器から、スマートフォン、モバイル機器、デジタル家電に広がってきた。そして今後は、産業やFA、医療、ヘルスケア、センシングといった分野でも使われるようになる見通しだ。これらの分野を狙い、国内外の複数の企業が組み込み無線LANモジュールを続々と製品化している。

 eConaisもその一社である。Atmelの研究開発部門やNanoradioのエンジニアらによって2008年に設立された*1)。32ビットマイコンと無線LANチップは協力企業から汎用品を購入し、自社で通信モジュールと各種ソフトウェアライブラリを開発するというビジネスモデルを採る。同社は、WiSmartモジュール/ミドルウェアには、主に3つ特徴があると主張する。

図 eConaisが開発した無線LAN用通信モジュール「WiSmart」

 1つ目は、通信ドライバ/ミドルウェアのプログラムコードの容量が小さいこと。メモリ容量が少なくて済む。2つ目は、消費電力が低いこと。基本的には間欠動作によって消費電力を下げるが、「ドライバの最適化技術によって、競合他社よりもさらに引き下げている」(同社)という。3つ目は、「競合他社に対するコスト競争力が高い」(同社)という点である。遠隔地から通信モジュールの設定を変更したり、搭載したソフトウェアを更新する機能も搭載した。

 同社が対象とする用途は、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)やM2M、産業、医療、民生などである。日本市場に向けては、まず民生分野の中でもオーディオ市場を狙い、販売活動を進める。この他、IoTやM2M、産業といった分野にも注目しているという。

図 eConaisの無線LAN用通信モジュールの仕様
図 無線LAN用通信モジュール製品群と機能の一覧 Wi-Fi directやWPS、ソフトアクセスポイント(SoftAP)の機能や、DLNAについても現在対応準備を進めている。
*1)ギリシャに本社を構え、米国にグローバルセールスの拠点を置いている。

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