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中国で製造業が失速か?ビジネスニュース

急成長してきた中国の製造業にも、さすがに陰りが見えてきたのだろうか。2012年第2四半期における中国経済の成長率は、2009年以降最も低い値となる7.6%だった。

» 2012年08月06日 09時52分 公開
[Junko Yoshida,EE Times]

 2012年8月1日に中国物流購買連合会と国家統計局サービス業調査センターが共同で公表した中国製造業の7月の購買担当者景況指数(PMI:Purchasing Managers’ Index)は、8カ月以来の最低水準となる50.1ポイントだった。これにより、中国の製造業が2012年下半期を緩やかにスタートしたことが分かる。

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 一方、香港上海銀行(HSBC:Hongkong and Shanghai Banking Corporation)による季節調整済みのPMIは49.3ポイントで、2012年2月以降最高値となった。50ポイント前後のPMIは、拡大と縮小を分ける分岐点といわれる。一般的には、50を上回っていれば拡大(増加)、下回っていれば縮小(減少)となる。

 そのため、中国が公表したPMIは、中国製造業が“辛うじて”成長していることを示唆している。一方で、49.3ポイントに上昇してきたというHSBCのPMIは、市場の影響を受けやすい民間セクターで、安定し始めてきた企業が増えてきたという様相を示している。

 HSBCによる数値に重きを置くならば、中国の経済停滞が2012年第2四半期に底を打ち、第3四半期の初めに緩やかに上向きになると予測できる。

 だが、中国の温家宝首相が2012年7月31日に発表した警告を無視するわけにはいかないだろう。温首相は、中国および世界経済の成長が停滞していることから、「中国の国民は自国の経済が直面しているリスクを過小評価すべきではない」と伝えた。温首相は、「景気後退圧力はいまだに大きい」と述べている。

 実際のところ、2012年第2四半期の中国経済の成長率は、世界経済危機の最中だった2009年初めから最も低い7.6%だった。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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