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JRA 美浦・栗東トレセンで稼働中!! ICタグによる新計測方式を採用した「坂路調教タイム自動計測システム」無線通信技術 RFID

日本ユニシスは、日本中央競馬会(JRA)の「坂路調教タイム自動計測システム(ALIS)」向けに、ICタグによる新しい計測方式を導入したことを発表。茨城県の美浦トレーニング・センターと滋賀県の栗東トレーニング・センターで稼働している。

» 2012年08月15日 13時35分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]

 日本ユニシスは2012年8月15日、日本中央競馬会(JRA)の「坂路調教タイム自動計測システム(ALIS:Advanced Lap time Information System)」向けに、ICタグによる新しい計測方式を導入したことを発表した。2011年12月から茨城県の美浦トレーニング・センターで、2012年5月から滋賀県の栗東トレーニング・センターで、それぞれ稼働を開始している。

 もともと日本ユニシスは、ALISのソフトウェア開発を担当しており、今回、計測機器(センサー部)を受注したことで、ALISの業務全般を担当することとなった。

 従来、トレーニング・センターにある坂路コース(計測対象区間:全長800m)では、競走馬にバーコードの付いた調教用ゼッケンを装着し、これを200mごとのハロン地点(地上約10mの高さ)に設置された計測器で読み取り、タイムを自動計測していた。こうして集められたデータは、厩舎関係者の調教メニューの組み立てや競走馬の健康管理に活用される他、テレビや新聞を通じ、勝馬投票券の検討材料として公開される。

 今回の新方式では、まずICタグを専用の台布に入れて、これを競走馬に装着。200mごとのハロン地点に設置した受信機/受信アンテナで、検知エリアに入ってきた競走馬のICタグの電波を受信してタイムを算出する。以前のバーコードセンサーによる方式と比べ、機器設置の設備費用の負担が大幅に軽減し、導入が容易になったという。

「坂路調教タイム自動計測システム(ALIS)」の概要 「坂路調教タイム自動計測システム(ALIS)」の概要 ※出典:日本ユニシス

 競走馬に付けるICタグはシチズンTIC製で、セミアクティブ方式のRFIDを採用。マラソンなどのタイム計測で実績のある製品で、軽量かつ防水性に優れ、電池寿命が長いのが特徴。従来方式の場合、バーコード部分の汚れや雨天・濃霧、雪などの悪天候による影響を受けるケースがあったが、新方式ではこうした問題もなく、計測認識率がほぼ100%に向上したという。

 今後、日本ユニシスは、今回の計測技術を応用し、トレーニング・センター以外の競走馬育成牧場や競走馬を短期放牧するための民間トレーニング施設などへの導入を検討。これらの実績を基に、国内外を問わず他分野への展開を目指すという。

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