Patton氏は、「半導体メーカーは、20nmプロセス以降、液浸リソグラフィによるダブルパターニング技術を適用した極めて複雑なプロセスへの移行を余儀なくされる」と述べる。その複雑さを解消すべく、IBMは、比較的シンプルなアルゴリズムをベースとした標準セルの設計フローや、より先進的なユーザー向けのカスタムフローなど、さまざまな手法の開発に取り組んでいるという。
Patton氏によると、「FinFETプロセスの次に重要性が増す技術はカーボンナノチューブだ」という。ただし、IBMの研究グループは、「カーボンナノチューブを使えば既存技術に比べて10倍の性能が得られる。しかし、現時点では金属性不純物を減らすことが難しく、実用化までの道のりは険しい」としている。
さらに、Patton氏は、「その次に必要になるのがフォトニクス技術だ。いくつかの周波数によって複数のナノフォトニクス導波管を制御するモジュレータを利用できるようにしたい。ただ、それをどのようにしてCMOSと統合するかが問題だ」と述べた。Patton氏は、「最終目標となる技術は、3次元実装技術とフォトニクス技術だ」と語っている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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