メディア
連載
» 2013年03月28日 08時00分 公開

「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論(16):ホテルは“最後の戦場”である (3/5)

[江端智一,EE Times Japan]

“作戦司令室”を作る

 チェックインによってホテルの接収が完了したら、次はホテルの部屋の“作戦指令室化”です。

 まず、ノートPCを起動して、大本営のシステム(本社の業務システム)との接続を確認します。なお、ホテルのポータルサイトからパソコンにウイルスが侵入したという話はよくあります。セキュリティソフトのレベルを最上位にすることも忘れないようにしましょう。あと、ノートPCなら2台は持ち込みたいものです。複数の作業ができるというメリットもありますが、2台あれば作戦指令室にいるような気分になれるからです。

 次に、国際携帯電話から日本に電話をかけられるか確認します。たぶんマニュアル通りの番号では動きません(動いた試しがない)ので、何度かパターンを変えて見つけます。具体的には、国際ローミング番号や、国番号、先頭に"0"を付ける/付けないなど、色々なバリエーションを試す必要があると思います。

 また、その国の国内電話のかけ方は、滞在しているホテルの予約受付番号でも使って調べましょう(誰かが電話に出たら、何も言わずに切ってしまって構いません)。

拠点/戦場ルートは、自分の足で確認すべし

 次は、「(b)現地視察戦」です。兵站において、戦場の視察は必須です。具体的には、訪問先の会社までのルート確認と下見を行います。

 往路は交通機関を使って、復路は徒歩で確認しましょう。きちんと時間を計測しておくことも重要です。当日に電車などの乗り換えに手間取った場合、英語で誰かに尋ねるしかありませんし、英語が通じない国では手の打ちようがありません。

 当日空港到着→顧客直行という場合なら、1〜2時間の余裕を持って顧客ミーティングの場所に行っていましょう。近くのカフェで、資料を読み込んでいればいいのです。

“口が勝手にしゃべる”ほど練習を積む

 最後が「(c)リハーサル戦」です。

 下見が終わったら、ホテルに戻って、資料の読み込みとプレゼンテーションの練習を行います。これが、「兵站重点型の戦争」の後半の肝になります。

 プレゼンテーションを行うことになっているのであれば、自分の頭がパニックで飽和状態になっても、「口が勝手にしゃべっている」レベルになるまで繰り返し練習してください。もちろん、声を出し、そして身振り手振りも加えます。私は、ホテルの部屋の中で最低でも20回、最大100回は繰り返し練習します。

 なぜか。

 私には、プレゼンを行っている最中に思いついたフレーズを、的確な英語のフレーズに変換する能力がないからです。また、繰り返しているうちに、自分の英語の変な言い回しに気が付くこともあるからです。この場合は、印刷した資料に、気になったことを片っ端から書き込んで、しゃべる内容をどんどん変更しましょう。場合によっては、資料そのものを変更することもあると思います。

写真はイメージです

 これは「よりよいプレゼンテーションを行うため」ではありません。

 私は、プレゼンテーションを「良い/悪い」などという次元で行うほどの実力がありません。この目的は、「プレゼンテーション資料の最後のページまで説明し切る」という、その一点にのみ集約されています。

 そして、このプロセスで行っておかなければならないことは「想定質問リスト」の作成です。プレゼンの練習を何度も何度も繰り返して、覚え込みが安定してくると、「ここで、このような質問で突っ込まれる」というカンみたいなものが働いてきます。これが見えてきたら、しめたものです。より高度な戦略シミュレーションへ移行することができます。その解答を「英語」で準備しておけばよいからです。

 なお、修正した資料を、顧客に送付することも忘れないようにしましょう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.