米国の市場調査会社であるIDC(International Data Corporation)によると、2013年第1四半期の世界PC出荷台数は、2012年第1四半期に比べて13.9%減となる7630万台だったという。前年同期と比較した場合、4期連続の下落となっており、1994年にIDCがPC市場の調査を開始して以来、最大の落ち込みを記録した。
IDCは、「PC業界はタッチ機能の搭載や筐体の薄型化で巻き返しを図ったが、Microsoftの『Windows 8』に対する市場の反応が薄かったことが、これを阻んだ。Windows 8によって、多くの消費者がPCの購入をやめただけでなく、タブレット端末へ流れた」と指摘している。
IDCでクライアント/ディスプレイ部門のバイスプレジデントを務めるBob O'Donnell氏は、報告書の中で、「残念ながら現時点では、Windows 8の発売が、PC市場の回復に貢献できなかっただけでなく、同市場のさらなる低迷を招いたことは明らかだ。Windows 8を搭載したPCの新しい形状やタッチ機能を評価する人もいる。だが、その一方で、UI(ユーザーインタフェース)の大幅な変更や、なじみのあるスタートボタンをなくしたこと、タッチ機能の追加による製品価格の値上がりによって、タブレット端末や他の競合デバイスと比べて、PCが魅力の薄い製品になってしまったことも事実だ」と述べている。
IDCでパソコン部門のリサーチディレクタを務めるDavid Daoud氏は、「PC出荷台数の減少幅は予想以上で、懸念すべきレベルだ」と述べている。
2013年第1四半期における米国のPC出荷台数は、前年同期比で12.7%減になる1420万台となった。2012年第4四半期と比べると18.3%の減少となり、2006年第1四半期以降、最低を記録した。
主要なPCメーカーのほとんどが苦戦している。例外は、LenovoとAppleの2社だけだ。米国のPC市場が前年同期比で2桁減少したのに対し、Lenovoは米国での出荷台数を2桁伸ばした。ただし、アジア太平洋地域での出荷台数は減少しているため、Lenovoの成長率は横ばい状態となっている。Appleも健闘しているが、同社のタブレット端末「iPad」の好調の陰で、PCの出荷台数は減少している。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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