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“気になる瞬間”を自動で記録、脳波センサーと連動するウェアラブルカメラセンシング技術

カメラと脳波センサーを連携し、「気になるもの」「興味があるもの」を自動で撮影する――。脳波を利用したアプリケーションの開発を手掛ける電通サイエンスジャムが、そんなデモを披露した。

» 2013年10月29日 11時35分 公開
[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 電通サイエンスジャムは、視覚や嗅覚といった五感の拡張技術の展示会「HUMAN SENSing 2013」(2013年10月23〜25日、パシフィコ横浜)で、カメラと脳波センサーを連携し、“気になったもの”を自動で撮影するデモを行った。

 デモに使用したのは、同社が開発中のウェアラブルカメラ「neurocam」のプロトタイプ。neurocamは、カメラと脳波センサーを内蔵した、ヘッドフォンのような形状のウェアブルカメラだ。今回はプロトタイプということで、カメラの代わりにスマートフォンを取り付けたが、実際に製品化するならば、これは超小型のカメラを使用するという。

 ユーザーは、カメラをオンにした状態で歩行する。店や看板など何か興味を引くものを見つけると、それを脳波センサーが検知し、独自に開発したアルゴリズムによって「気になる度」を算出する。「気になる度」が一定の基準値を超えると、自動的に動画を5秒間撮影する。動画には時間と位置も同時に記録されるので、自分がいつどこで気になるものを見かけたのかを、後から確認できるようになっている。脳波センサーとカメラ(デモの場合はスマートフォン)は、Bluetoothで接続している。

「neurocam」を装着したイメージ(左)。額に付いている部分に脳波センサーが搭載されている。右はデモの様子。写真では見えにくいが、スマートフォンの画面に表示されている「35」という数字が「気になる度」だ。この数値が50を超えると、動画を撮影する(クリックで拡大)

 「気になる度」を算出するアルゴリズムは、電通サイエンスジャムと慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科の満倉靖恵准教授が、共同で開発した。満倉准教授は、感情によって脳波の波形がどのように変化するのかを20年近く研究している。

 neurocamの用途としては、単なる民生機器だけでなく、都市や店舗を設計する際に、住民や客の興味を引きやすいポイントなどを調査するツールなども想定しているという。

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