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ヘビ型ロボ、3Dモーショントラッキング……STマイクロがCortex-Mマイコンの用途を披露ET2013

ARMの「Cortex-M」シリーズのコアを採用したマイコンの拡充に注力するSTマイクロエレクトロニクス。「ET2013」では、「Cortex-M4」マイコンを採用したパイプ点検向けヘビ型ロボットや、「Cortex-M3」マイコンを用いたモーショントラッキングシステムなどを展示した。

» 2013年11月21日 12時38分 公開
[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 STマイクロエレクトロニクス(以下、STマイクロ)は、「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展(ET2013)」(2013年11月20〜22日、パシフィコ横浜)において、「Cortex-M」コアを採用したマイコンの用途を披露した。

細いパイプの点検もお任せ、ベンチャー発のヘビ型ロボット

 ロボットやロボット制御技術の開発を手掛けるベンチャー企業ハイボットは、パイプの点検向けのヘビ型ロボット「PIPETRON(パイプトロン)」のデモンストレーションを行った。このロボットはモーターとジョイント部分をいくつも接続して構成されていて、ロボットの先端と各ジョイントに、STマイクロの32ビット「Cortex-M4」マイコン「STM32F405」「STM32F407」を搭載したコントローラが使われている。STM32F405はメインのマイコンとして、「直進する」「右に曲がる」「バックする」などの命令をユーザー側から受け取る。STM32F407は、メインのマイコンからの情報を受け取り、個々のモーターを制御する。

「PIPETRON」の外観。左端の、青い車輪がついたケースの中にメインのマイコンが、ジョイント部分に当たる黒い部分にモーター制御用のマイコンが搭載されている(クリックで拡大)
PIPETRONの機構を図にしたもの。マイコン同士は、CANで接続されている(クリックで拡大)
「STM32F405」が搭載されているコントローラ基板。加速度センサー、角速度センサー(ジャイロセンサー)、磁気センサーなども搭載されている(クリックで拡大)

3Dモーショントラッキング

 LP-Research(Life Performance Research)は、同社が開発したモーショントラッキング向けのモジュール「LPMS-B」を使用したデモを行った。同モジュールには、「Cortex-M3」コアを採用したSTマイクロの32ビットマイコン「STM32F205」の他、加速度センサー、ジャイロセンサー、電池が搭載されている。

モーショントラッキング向けのモジュール「LPMS-B」(左)。11個のモジュールを体に装着した女性が動くと、その動きに追従したアニメーション映像が後ろのディスプレイに表示される。各モジュールのデータはBluetoothを介して、データ解析を行うメインシステムに送信されている。それらのデータを基に、ソフトウェアで動きをアニメーション化し、ディスプレイに出力している。

 LPMS-Bは、ヘルスケアやフィットネス、ゲームの分野の他、船舶の姿勢検出にも使われているという。

農業向けに、“フルST”のソリューションを

 農業分野向けの環境センサープラットフォームとして、温度や気圧などの各種センサーを低消費電力のCortex-M3マイコン「STM32L1」で管理するシステムも提案した。農地にプラットフォームを何カ所にも設置し、気温や湿度などの変化に合わせてスプリンクラーで自動的に水をまく、といったスマートアグリカルチャーの用途に向ける。

 環境センサーハブには、マイコン、温度/湿度センサー、気圧センサー、加速度センサー、サブGHz帯に対応する無線通信用IC、EEPROMが搭載されているが、これらは全てSTマイクロ製だ。同社の担当者によれば、「センサーからマイコン、メモリまで幅広い製品を手掛けているSTマイクロならではの製品」だという。

 同プラットフォームは、農業用途の他、ビルオートメーションや、ホームオートメーションの用途も想定している。

“フルST”の環境センサープラットフォーム(クリックで拡大)

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