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ウェアラブル機器にファブレット、3Dプリンタ……CESの主役が出そろう2014 CES

いよいよ開催を明日に控えた「2014 International CES」。今回の主役はウェアラブル機器と予想されているが、その他にはどのような分野が注目されているのだろうか。

» 2014年01月06日 12時20分 公開
[Jessica Lipsky,EE Times]

 米国で2014年1月7〜10日に開催される「2014 International CES」では、これまでのCESとは異なる傾向があるようだ。

 コンサルティング企業のアクセンチュアによると、2014年のCESは、テレビやPCといった“花形”の展示物よりも、携帯電話機やタブレット端末など、より個人向けの電子機器に焦点が当てられるという。同社で、通信/メディア/技術部門のマネージングディレクタを務めるDavid Sovie氏は、「こういった傾向を受けて、革新的なデジタル接続技術が披露されるだろう」と予測する。

 Sovie氏は、「業界では、“個人向けの電子機器”や“つながる”がキーワードになっている。ウェアラブル機器やセンシング技術、モノのインターネット(IoT)への注目度がますます高まるだろう」と述べる。

 とりわけウェアラブル機器は、モバイル機器、PC、フィットネス、ファッションなど、幅広い業界をまたぐ大きな市場になる。アクセンチュアは、CESにウェアラブル機器(主にスマートウオッチ)を展示する予定のメーカーとしてIntelの他、COOKOO、MetaWatch、Pebble、Qualcommを挙げた(関連記事:2014年のCESはウェアラブル機器祭り? 展示予定のガジェットを一挙公開)。

盛り上がりをみせるファブレット

 Sovie氏は、「CESは“ファブレット祭り”になるだろう」とも予測している。同氏は、2013年におけるファブレット(大画面のスマートフォン)の販売台数は5000万台に上ったとみていて、2016年には1億5000万〜2億台に伸びると見込んでいる。

 同氏は、「CESでは、多くのメーカーがファブレットを展示するだろう。いかに低価格化するか、電池の持ちをよくするかなど、ファブレット市場では競争が激しくなっている。これに伴い、重要になってくるのがセンサーだ」と述べる。

 「センサーこそ、CESの“真の主役”と言えるかもしれない。センサーは、モバイル機器やウェアラブル機器はもちろん、ゲーム機や家電にも搭載されている。一般的なスマートフォンには6〜10個のセンサーを搭載している。センシング技術の進化とともに、センサーへの需要も高まっていくだろう」(Sovie氏)。同氏はさらに、「加速度センサーや角速度センサーは、ほぼ全てのスマートフォンに搭載されている。また、今後は、アイトラッキング技術のニーズが一部の機器で高まると考えられる」と付け加えた。

フィットネス/ヘルスケアの出展企業は前年比40%増に

 ウェアラブル機器のターゲット市場の一番手は、やはりフィットネスだ。2014 CESのフィットネス/ヘルスケア関連の出展企業数は、前年比40%増となる約300社に及ぶ。

 アクセンチュアのアナリストであるCharles Hartley氏は、「既存のプラットフォームを使った新しいウェアラブル製品が続々と登場している。一方で、ユーザーの生体情報や健康状態をセンシングする技術も着々と進歩している」と説明する。

3Dプリンタも欠かせない重要テーマ

 3Dプリンタ関連の出展企業は26社と、前年に比べて3倍になる見込みだ。3Dプリンタの技術は、航空宇宙、自動車、医療といった分野向けに紹介される予定だ。また、500米ドルの3Dプリンタなど、一般ユーザーにも手が届きやすい製品が登場し始めている。

テレビの人気も相変わらず

 テレビの展示が年々少なくなっているとはいえ、テレビがCESの主役クラスであることは間違いない。各家電メーカーは、4Kテレビなど、高解像度のテレビの展示に広いスペースを割いている。

 「最新技術を搭載したテレビなら大金を投入してもよいと考えるユーザーは、まだ多い」(Hartley氏)。

【翻訳、編集:EE Times Japan】

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